スノーピアサー(雪国列車/Snowpiercer)
story
2014年7月1日、地球温暖化に終止符を打つため人口冷却物質「CW-7」が大気圏に散布されたが、地球は新たな氷河期に突入。すべての生物は絶滅し、地球を1年で1周する列車「スノーピアサー」に乗り込んだ者だけが生き残った。
2031年。ウィルフォード産業によって創造された走る箱舟、スノーピアサーは人類唯一の生存場所となっていたが、人々は後方車両の貧困層と前方車両の富裕層に分けられ、列車のNo.2であるメイソン総理(ティルダ・スウィントン)らによって厳しく管理されていた。
スラム街さながらの最後尾車両にいるカーティス(クリス・エヴァンス)は、彼を兄のように慕うエドガー(ジェイミー・ベル)らと共に革命の時期を狙っていた。食糧として配給されるプロテインブロックには、謎の人物からの赤いメモが不定期に混入されている。それは反乱を企むカーティスにとって唯一の情報源だった。
入手したメモには「ナムグン・ミンス」と書かれていた。最後尾車両の精神的リーダーであり情報通のギリアム(ジョン・ハート)は、メモを見て「彼はセキュリティーの達人で、監獄セクションにいる」と告げる。カーティスは彼を救出して力を借り、先頭車両まで行ってウィルフォードからエンジンを奪う計画を立てる。
監獄セクションまでの扉は3枚。扉が同時に開くのは4秒だけだ。兵士たちを撹乱したカーティスたちは、つなげたドラム缶を一気に引っ張って扉をさえぎり監獄セクションに到達する。収容されている寝床を開けると、寝ぼけ顔のナムグン・ミンス(ソン・ガンホ)が姿を現した。
彼の罪状は「クロノール依存症」。それは産業廃棄物で作られた粘土のような固まりで、可燃性が高く吸うと幻覚症状が起きる。前方車両で流行っているらしい。クロノールを交換条件に扉を開けて欲しいと頼むカーティス。ナムグンは収監されていた娘のヨナ(コ・アソン)も同行させる。彼女には透視能力が備わっていた…。
●アジコのおすすめポイント:
『母なる証明』に継ぐポン・ジュノ監督の最新作は、ハリウッドで活躍する国際スターをずらりと揃えた多国籍作品。原作はフランスの人気SFコミックです。04年に本屋でこの原作3部作を一気読みするほど魅せられたという監督。8年の歳月を経てついに映画化が実現した本作には、これまでの作品同様に「極限状態にある人間の本性を探ってみたい」という監督のテーマを反映。人間ドラマを基調にしたSFサスペンス・アクションとなっています。常連のソン・ガンホ、コ・アソンはもとより、クリス・エヴァンス、エド・ハリス、ジョン・ハート、特殊メイクで美貌を封印したティルダ・スウィントンなど、ハリウッドの名優たちも監督の撮影スタイルに感銘した模様。また、列車という特殊環境での撮影を可能にするため、チェコにあるヨーロッパ最大のバランドフ・スタジオにセットが組まれ、メガサイズの装置でリアルに震える車両が撮影されたのでした。さらに前方車両には巨大な温室や水槽、学校、バーやクラブなども!その先にあるのは果たして?! ぜひスクリーンでご堪能ください。
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