光にふれる(逆光飛翔/Touch of The Light)
story
生まれつき目が見えないユィシアン(ホアン・ユィシアン)は、音楽大学へ進学。寮で一人暮らしをするため、母(リー・リエ)の運転するトラックで台北へ向かう。戸惑うクラスメートたちに、ユィシアンは母に頼んで演奏室までの道のりを教えてもらう。やがて気のいい同室のチン(シャン・リャン)が現れ、母は去って行く。
チンはスーパーミュージック(通称SM)というサークルを結成。ユィシアンも参加する。構内でサークルの勧誘活動中、好きなタイプの女性を聞かれたユィシアンは「優しい人がいい。ポイントは声がきれいなこと」と答える。その時、ユィシアンの耳には、バイトでドリンクを配達中のシャオジエ(サンドリーナ・ピンナ)の声が印象に残っていた。
ある日、交差点で右往左往しているユィシアンを、シャオジエが見つけて小学校まで送っていく。自分と同じ視覚障害者の子どもたちに音楽レッスンをするユィシアンを見て、心を開くシャオジエ。「実現できない夢とかある?」と聞かれ、シャオジエは「ダンスがしたい」と正直に答える。
経済的な理由や、ダンスの上手い恋人(ハリー・チャン)へのコンプレックス、彼の浮気…様々な理由でダンスから逃げていたシャオジエは、ユィシアンの言葉に促され、ダンスカンパニーの体験レッスンに参加。バイト先の店長(納豆)の応援もあり、国際オーディションに挑戦する。
一方、ユィシアンは彼の才能に気づいた補助教員のワン(イン・シン)から音楽コンクールへの出場を勧められるが、幼い頃のトラウマを抱えるユィシアンは頑に断り…。
●アジコのおすすめポイント:
2012年の東京国際映画祭で上映され話題となった珠玉の名作がついに公開です。それは、台湾の若き天才ピアニスト、ホアン・ユィシアンの実話に基づく物語。彼と知り合ったチャン・ロンジー監督が、08年に撮影した短編『ジ・エンド・オブ・ザ・トンネル(黒天)』(台北映画祭最優秀短編賞受賞作品)に感動したウォン・カーウァイ監督が、長編としての映画化を勧めて実現したのが本作です。心にトラウマを抱えたピアニストと夢を封印していた少女が出会い、多くの人々の愛や善意に包まれて飛翔していきます。「夢を捨てきれないのなら、人に認めてもらえるように頑張るべきだ」という言葉は、あなたにも勇気を与えることでしょう。全編が清々しい本作、多彩な助演人も見どころです。
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