観相師(観相/The Face Reader)
story
15世紀半ばの朝鮮王朝時代。没落した名家のキム・ネギョン(ソン・ガンホ)は、息子のジニョン(イ・ジョンソク)、義弟のペンホン(チョ・ジョンソク)と3人で、筆屋を営みながら海辺のあばら家に住んでいた。そこへ「天才観相師がいる」と聞きつけた芸妓ヨノン(キム・ヘス)が、自分の芸妓館の客寄せにしようと勧誘にやって来る。
自堕落な生活をしていたネギョンは、口が達者なペンホンと共に都にのぼり、人生の再起を図ることにする。ジニョンも「官史になると災難に遭う」という父の忠告を押し切り、ペンホンのはからいで一人旅立っていった。
ヨノンの芸妓館で豪華な酒宴をふるまわれ、上機嫌のネギョンとペンホンだったが、翌朝からタダ働きさせられるハメに。だが、ネギョンが殺人事件の真犯人を言い当てたことで、転機がやって来る。文宗皇帝(キム・テウ)を擁護する高官キム・ジョンソ(ペク・ユンシク)と知り合い、官史志願者の合否を担う人事官に雇われたのだ。志願者の中には、息子ジニョンの姿もあった。
汚職や不正を摘発し、名声を轟かせていくネギョンは、ついに文宗皇帝の勅命を受け、王座を狙う者たちの観相を任される。そこには最も危険視されている皇帝の弟・首陽大君もいたが、逆賊の相を持つ者はいなかった。病弱な皇帝はネギョンに幼い王子(チェ・サンウ)を託して崩御する。
ところが、皇帝の葬儀に姿をあらわした首陽大君(イ・ジョンジェ)は、面会した時の男とは似ても似つかぬオオカミの相を持つ男だった…。
●アジコのおすすめポイント:
1453年に起こったクーデター事件「癸酉靖難(ケユジョンナン)」を背景に、この騒動に関わってしまった観相師(人相占い師)一家の顛末を描いたユニークな物語です。どんな役も自分のものにしてしまうソン・ガンホはもとより、ドラマや映画で頭角を現している義弟役のチョ・ジョンソクの熱演ぶりも印象に残ります。対する悪役の首陽大君を演じるイ・ジョンジェのふてぶてしさもなかなかのもの。この首陽大君の娘と高官キム・ジョンソの息子の恋を描いた大ヒットドラマ「王女の男」と合わせて観るのも面白いかも。コミカルでスリリングな展開からシリアスな結末まで、見応えはたっぷり。朝鮮王朝の歴史は奥深いです。
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