ダイバージェント(Divergent)
story
最終戦争から100年後の近未来。生き残った人類は過去の経験から、新たな社会体制を作り上げた。それは、人間の性格を「勇敢」「高潔」「平和」「無欲」「博学」の5つに分類し、5つの共同体の中で一生を送るというもの。政権を担っているのは「無欲」の共同体だが、「博学」によるクーデターの噂も広がっていた。
「無欲」の共同体で育ったベアトリス(シャイリーン・ウッドリー)は、「選択の儀式」を迎える年頃になる。検査官によって性格診断がされた後、本人が自分の意思で所属する共同体を選ぶ。ベアトリスを検査したトーリ(マギーQ)は、診断結果に驚愕する。彼女はどこにも属さない「異端者=ダイバージェント」だったのだ。
異端者たちは、人類を滅ぼす謎に満ちた脅威とされ、秘密裏に抹殺されていた。トーリは検査結果を偽るようベアトリスを説得する。そして儀式の日。ほとんどの者は親と同じ共同体を選ぶのだが、兄ケイレブ(アンセル・エルゴート)は「博学」を選択。ベアトリスはほのかな憧れを抱いていた「勇敢」を選択し、両親を驚かせる。
その日から、ベアトリスはトリスと名を変え、「転向者」として「勇敢」の共同体に迎え入れられる。トリスの教官となったのはフォー(テオ・ジェームズ)。同じく「高潔」から転向してきたクリスティーナ(ゾーイ・クラヴィッツ)とも親しくなるが、二人には軍事・警察を担う者として厳しい訓練の日々が待っていた。
落第したら元の共同体に戻るか、どこにも属さない流民に落とされる。心配されていたトリスとクリスティーナだが、徐々に力を付けていった。その頃、「博学」が「無欲」を非難する運動が活発化。またトリスは「異端者」の抹殺計画を耳にする。「博学」の最高幹部ジェニーン(ケイト・ウィンスレット)は、トリスの検査結果に疑いを持っていた…。
●アジコのおすすめポイント:
世界で1900万部を突破というベロニカ・ロスの原作「ダイバージェント 異端者」(KADOKAWA刊)を、シカゴを舞台に、原作の世界観を壊すことなく映画化したシリーズの第1作目です。(4部作になる予定)それは、最後の戦争で破壊された世界に生き残った人々が、新たな社会秩序で再構築した近未来。人間を性格によって5つの共同体に分類し、それぞれの役割を果たすことで秩序が保たれる世界ですが、当然、そこからはみ出す人、いくつもの要素を備えたマルチな人もいるわけで、彼らは危険な異端者として排除されます。そして、一見よくできたシステムに見える共同体内部にも、権力構造や腐敗が生じている。果たして、この世界は正しいのか? そんな危うい世界に生きる、異端者の少女が自分の力に目覚め、闘士となっていく姿を描いたのが本作。マギーQの出番は少ないですが、重要な人物と思われ、今後の展開での活躍が期待されます。それにしても、ケイト・ウィンスレット、すっかり貫禄ある大人の女優になりました。
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