牢獄処刑人(On The Job)
story
ベテランヒットマンのタタン(ジョエル・トーレ)は新米のダニエル(ジェラルド・アンダーソン)を連れて、マニラの都市ケソンシティの繁華街を歩いていた。水かけ祭りで賑わう中、依頼されたターゲットを仕留めるタタン。仕事を済ませると、二人は仲介人テルマ(ヴィヴィアン・ベレス)のワゴン車で素早く立ち去る。
途中で車を降りた二人は、それぞれの家族のもとへ。家の外から母に電話するダニエル。愛する妻(エンジェル・アキノ)や法学生の娘(エンプレス・シャック)と一時を過ごすタタン。出稼ぎと偽っているが、翌日、合流した二人はスーパーで買い物をして、刑務所へ戻って行く。所員が手引きする裏の暗殺ビジネスなのだ。
警察は麻薬がらみの殺人として被害者の身辺捜査をしていた。しかし、事件には政治的な裏があり、発覚を恐れるバチェコ将軍(レオ・マルティネス)らは、警察にNBI(国家警察捜査局)の主任捜査官フランシス(ピオロ・パスカル)とベルナベ捜査官(レイバー・クルツ)を派遣。事件担当のベテラン警官アコスタ(ジョーイ・マルケス)はしぶしぶ資料を渡す。
一方、タタンは念願の保釈が決まって喜ぶが、裏稼業は引退しなければならず、まだ頼りない後任のダニエルを刑務所内で鍛える。タタンの最後の仕事はダニエルの初仕事の援護だった。ダニエルは元警官ポル(リト・ピメンテル)の妻を職場で殺害。さらにポルの元へ向かう。
ポルは友人のアコスタに保護を依頼。囚人を使った暗殺ビジネスをしていたことを打ち明ける。そこへ別ルートからポルにたどり着いたフランシスたちも合流。ダニエルがポルの暗殺に失敗したため、タタンが病院で始末をつけるが、タタンはアコスタに、ダニエルはフランシスに追われる。
●アジコのおすすめポイント:
勢いのあるフィリピン映画界から、久々の話題作公開です。タイトルバックに出て来る記録映像のように、囚人を使った暗殺ビジネス(!)という実話を元にした作品。殺しを請負う囚人コンビのドラマと、事件を担当する警察のベテランと若きエリートのドラマが同時進行で描かれ、背後にある恐ろしい陰謀が明らかになっていきます。金のために非情な仕事をする男たち、権力と正義の間で悩む男たち…それぞれの男たちがたどる運命とは? 緊張感みなぎるストーリーを作ったのは、監督のエリック・マッティ。主演のジョエル・トーレは渋い中年、若いジェラルド・アンダーソンとピオロ・パスカルはなかなかのイケメン、そしてベテラン警部を演じる個性派のジョーイ・マルケスとキャラも立っており、女優陣も美人揃い。ストーリーもビジュアルもアクションも見どころ満載です。すでにハリウッドでのリメイクも決定。さらに、来年は続編の製作予定も出ています。2週間限定公開ではもったいない本作。ぜひ、お見逃しなく!
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