logo

p1

監督:フィリップ・ウィチュス、ヴァレリー・ベルトー
脚本:フィリップ・ウィチュス、ヴァレリー・ベルトー
撮影:フィリップ・ウィチュス、ヴァレリー・ベルトー
編集:シモン・アラジ
音響:マガリ・スヒュールマンス、フィルマリー・ムグルザ
サウンドミックス:ロイク・ヴァイヨール
音楽:ファブリス・コレ
出演:ハリマンディル・サーヒブで働くボランティアの皆さん

2011年/ベルギー
日本公開日/2014年9月27日
カラー/65分
字幕:内海千広
配給:アップリンク
(c)Polymorfilms
2012年 東京国際映画祭 ナチュラル TIFF 部門 グランプリ

p2

p4

p3

聖者たちの食卓(Himself He Cooks)

story

 インド北西部の都市アムリトサルは、パンジャーブ州にあり、パキスタンとの国境付近にある。舞台となる黄金寺院、ハリマンディル・サーヒブは、シク教徒にとってもっとも神聖な寺院であり、巨大な四角形の聖なる池に浮かんだ石造りの孤島に建っている。

 グル・カ・ランガル(共同食堂)は、「宗教、カースト、肌の色、信条、年齢、性別、社会的地位に関係なく、すべての人々は平等である」というシク教の教義を守るために考案され、500年近く続いている習わしだ。ここでは1回で5000人に無料の食事がふるまわれ、毎日10万食が用意されている。

 聖なるキッチンを支えているのは、サバダールと呼ばれる約300人のボランティアたち。費用はすべて寄付で賄われている。作業は完全に分担され、効率よく仕度されていく。毎朝届くのは、小麦粉2300kg、ダール(豆)830kg、米644kg、牛乳322kg。これに季節の野菜が加わる。燃料は100本以上のガスボンベと5000kgの薪だ。

 野菜を刻む者、小麦粉をこねる者、チャパティを焼く者…2つのキッチンには大鍋が並び、火がつけられていく。寺院では参拝者たちが靴を預けて足を洗い、参拝を済ませた後で、食堂の列に並ぶ。用意された食器は30万個。お代わり自由。でも残さず食べること。盛大な食事が始まる。

●アジコのおすすめポイント:

こんな太っ腹な寺院がインドにあったとは! 朝、食材や燃料が寺院に運ばれるところから撮影が始まり、カメラが寺院の厨房に入っていきます。すべての作業は見事に分担されており、ニンニクの皮をむく人、タマネギを刻む人、小麦粉をこねる人、丸める人、焼く人…と、すべてがシステマチック。合間に寺院の外の様子や参拝客、沐浴をする人々などが写されます。そして、5000人による食事の仕度、配膳。食事時間は決まっているようで、完全入替制。終った食器も規則正しく集められ、幾重もの洗浄行程を経て、ピカピカに磨かれます。すべてが清浄なのです。この「大きな団らん」を撮影したのは、映像作家兼フリーの料理人であるフィリップ・ウィチェスと、フォトジャーナリスト兼映像作家のヴァレリー・ベルトーのベルギー人夫婦。食べることの原点と驚異のシステムを、スクリーンで体感してください。

p6


p5p6

▼公式サイト 閉じる