パパロッティ(パパロッティ/My Paparotti)
story
音楽教師のサンジン(ハン・ソッキュ)は、車で出勤途中にヤクザの車と接触事故を起こしてからまれる。しかし、リーダー格の若者に許されて事なきを得た。校長(オ・ダルス)に呼び出された彼は、類稀な才能があるという転校生の世話を頼まれる。しかし、サンジンは気が乗らない。
その転校生ジャンホ(イ・ジェフン)が登校してきた。黒塗の高級車と弟分の送迎で登校する彼は、地元ボスの元で働くヤクザ。しかも、サンジンが接触した車の若者だった。立場が逆転し損害賠償を免除してもらったものの、サンジンは授業中もジャンホの歌を聴こうとしなかった。
校長は学校のために、ジャンホをコンクールに出して優勝させたがっていたが、授業中もヤクザの出入りで呼び出されるジャンホをサンジンは相手にしていなかった。歌うことが大好きなジャンホはコンクールに出るため一人で練習を始めるが、ヤクザであることが災いして失敗する。
そんなある日、サンジンの家を訪れたジャンホが歌を披露する。ジャンホが好きな歌は「誰も寝てはならない」。それはかつて、オペラ歌手としてヨーロッパでデビューするサンジンが歌うはずだったが、その矢先に喉頭癌を発症し、彼は夢を諦めていた。ジャンホの見事な歌唱力を認めたサンジンは、本格的な特訓を開始する…。
●アジコのおすすめポイント:
挫折して音楽教師になった男が才能溢れる若者と出会い、共に夢を追いかけて行く物語です。もっとも、その若者が高校生でヤクザというところがミソ。しかも実話です。モデルとなったのは、実際に高校に通いながら、ヤクザの構成員として働いていたキム・ホジュンさん。転校を機に恩師ソ・スヨンと出会い、本格的に声楽を学び始めたそうです。その後、テレビに出演して注目され、奨学生として大学へ進学。ドイツ留学も果たしています。若者の才能もさることながら、彼の将来を信じた周囲の人たちの温かい姿もよく描かれており、特にチョ・ジヌン演じる兄貴分のチャンスが印象的。一足先に公開中の『ザ・テノール 真実の物語』と同じく、人の絆の大切さを感動的に伝えています。
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