激戦 ハート・オブ・ファイト
(激戦/Unbeatable)
story
自転車で中国の辺境の地を旅していた青年リン・スーチー(エディ・ポン)が、北京へ戻って来る。久しぶりに会った友人のチャンは(チャン・バオチァン)は、裏稼業の2代目を継いで羽振りをきかせていた。ところが、裕福だったスーチーの父親(カオ・ジェ)が事業に失敗。父はすべてを失い、生活も一変してしまう。
香港でタクシー運転手として働いていたチン・ファイ(ニック・チョン)は、ギャンブルで借金を作って追われる身に。かつてはボクシングのチャンピオンだった彼は、昔の仲間ヤン(フィリップ・キョン)を頼ってマカオに逃亡する。ヤンは自分が働くスポーツジムでの仕事と住む場所を探してくれた。
ファイは母娘が暮らすアパートに間借りすることになる。母親のクワン(メイ・ティン)は自分の不注意で息子を亡くし、精神を病んで入院していた経歴があり、今も不安定だった。そんな母親を、幼いが気丈な娘のシウタン(クリスタル・リー)がしっかりと支えていた。シウタンはファイに、間借人の規則を厳しく言い渡す。
一方、マカオに流れ着いたスーチーは、工事現場で働きながら父親の面倒をみていた。自暴自棄になった父は毎晩酒場で酔いつぶれ、父をおぶって帰るのが日課になっていた。そんなある夜、スーチーはテレビで人気の総合格闘技マッチ「ゴールデン・ランブル」の出場者募集を知る。
賞金で父親を立ち直らせたいスーチーは、ファイが働くジムに入門。ファイが元チャンピオンだったことを知ると、ボクシングを教えて欲しいと頼み込む。スーチーの目的を知ったファイはコーチを引き受け、特訓を始め、クワンやシウタンとも絆を深めていくのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
香港映画では珍しい熱血スポコンドラマの感動作が誕生しました! 監督はガンアクションを得意とするダンテ・ラム。数々のアクション作品で知られていますが、『ティラミス』のようなラブストーリーも手がけており、ドラマを描く手腕もなかなかのもの。クライム・アクションはやり尽くした感のある監督が、異種格闘技(MMA)という新ジャンルに挑んだ作品です。演じるのは常連のニック・チョンと、台湾のエディ・ポン。リアルファイトを撮影するため、最も難しいとされる「関節技と絞技」を徹底的に訓練したとか。肉体改造した二人の見事な筋肉美もたっぷり拝めます。もう1つの見どころは、子役のクリスタル・リー。弱い母親を守る健気な少女をはつらつと演じ、上海国際映画祭で女優賞を獲得しています。この母娘と主人公が心を通い合わせていくドラマも微笑ましく、師弟のドラマ、青年と父親とのドラマも合わせて、格闘技をモチーフにした爽やかなヒューマンアクションドラマに仕上がっています。
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