logo

恐怖分子

監督:エドワード・ヤン
脚本:エドワード・ヤン、シャオ・イエー
脚本顧問:チェン・クォフー
撮影:チャン・ツァン
編集:リャオ・チンソン
音響:トウ・ドゥーチ
音楽:ウォン・シャオリャン
出演:コラ・ミャオ、リー・リーチュン、チン・シーチェ、クー・パオミン、ワン・アン、マー・シャオチュン、ホアン・チアチン

1986年/香港・台湾
日本公開日/2015年3月14日
カラー/ビスタサイズ/ステレオ/109分/デジタル・リマスター版
字幕:
配給:フルテルモ×コピアポア・フィルム
(c)Central Pictures Corporation
1986年 台湾金馬奨 作品賞
1987年 ロカルノ国際映画祭 銀豹賞
1987年 アジア大平洋映画祭
 脚本賞(エドワード・ヤン、シャオ・イエー)
1988年 ペサロ映画祭 監督賞(エドワード・ヤン)

p8

p2

p3

恐怖分子(恐怖イ分子/Terrorizers)

story

 朝。パトカーがサイレンを鳴らして走っている。銃声の音。若いカップルの部屋。シャオチャン(マー・シャオチュン)が目を覚まし、カメラを持って外へ飛び出して行く。別の部屋では、小説が書けなくて苛ついている妻のイーフェン(コラ・ミャオ)を残し、リーチュン(リー・リーチュン)が仕事にでかけていった。

 口論と銃声。道路に倒れている男。それは小さな賭場で起きた事件だった。駆けつけたクー警部(クー・パオミン)は、カメラをかまえたシャオチャンを追い返す。裏路地に入ったシャオチャンは、建物の裏から若い女の子シューアン(ワン・アン)が飛び下りるのを目撃。後を追おうとした男は警察に捕まった。

 物陰に隠れていたシューアンは、足を怪我したまま逃走する。その姿をシャオチャンはカメラに収めていた。道路で倒れたシューアンは、たまたま車で通りかかったリーチュンの病院で手当てをされる。病院では、リーチュンの上司が心臓病で亡くなり騒然としていた。リーチュンに出世のチャンスが巡ってくる。

 厳しい母親に連れ戻されたシューアンは、部屋に閉じ込められ反抗的になっていた。時間を持て余した彼女は、電話帳でリー・リーチュンの名前を見つけ電話してみる。「大事な話があるから奥さんに会いたい」途中で切れた若い女からの電話に、イーフェンは行き詰まっていた小説のヒントを得るのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

1980年代から始まった台湾ニューシネマを、ホウ・シャオシェンらと共に牽引したエドワード・ヤン監督の出世作が、デジタルリマスターにより美しい映像となって蘇りました。長編3作目となる本作は、当時の世相を反映し、無軌道な若者の行動や大人の世界のエゴも活写。暇つぶしにかけた1本のいたずら電話が思いがけない波紋を広げ、悲劇につながっていく連鎖を描いています。問題を起こす混血少女シューアンを演じたワン・アンは、実際に見知らぬ番号にいたずら電話をしたことがあり、その告白を元に本作の構想ができあがったとのこと。青少年と犯罪との危うい接点は、代表作となった次作『[牛古]嶺街少年殺人事件』へと発展していきます。スクリーンではなかなか観ることのできない名作の上映を、この機会にぜひご堪能ください。


p7


p4p5p6

▼公式サイト 閉じる