群盗
(群盗:民乱の時代/KUNDO: Age of the Rampant)
story
1862年。相次ぐ災害で飢餓と伝染病に苦しめられた民は、不当な搾取を行う悪徳官吏や貴族に反発。残党たちは「義賊」として生き延びていた。中でも、智異山(チリサン)の盗賊団チュソルの一行は勇猛果敢。その勇姿を、と畜人トルムチ(ハ・ジョンウ)は憧れの目で見つめていた。
チョ家の長男ユン(ナム・ダルム)は庶子だが、幼い頃は跡取りとして大切に育てられる。しかし、実の息子が生まれると父(ソン・ヨンチャン)の愛情は弟に注がれ、ユンは憎悪と孤独のうちに成人した。軍の要職に就いたユン(カン・ドンウォン)は、弟のソイン(イ・デヴィッド)が事件に巻き込まれて死んだと知り、嫁のジョンシム(キム・コッピ)を殺害しようと企む。
引き受けたのは、チョ家に肉を売って細々と家族を養うトルムチだった。しかし、ジョンシムが身重だったため殺せず、逃げ帰ってしまう。ユンは口封じのためトルムチの命を狙って家に放火。トルムチは頭に大火傷を負い、母(キム・ヘスク)と妹(ハン・イェリ)は亡くなってしまう。
トルムチは復讐のため、包丁を振りかざしてユンに襲いかかるが、扇で軽くいなされる。不当な罪で捕らえられ、あわや処刑されようというトルムチを救ったのが、「智異山チュソル」たちだった。彼らは権力や家柄を重んじる不平等な世の中を変えようとする群盗だったのだ。
チュソルの生臭坊主(イ・ギョンヨン)は、義賊の三大条件を備えていたトルムチの中に才能を見い出し、トルムチは頭領のデホ(イ・ソンミン)からトチという新たな名前を与えられる。トチはその日から心身の修練を重ね、やがて世間に恐れられる群盗のシンボルへと変貌を遂げていく。
●アジコのおすすめポイント:
秀作が揃った昨年の話題の韓国映画の1本です。監督は『許されざるもの』で鮮烈な監督デビューを飾り、『悪いやつら』で大躍進を遂げたユン・ジョンビン。今回も盟友のハ・ジョンウと組み、『デュエリスト』で惚れ込んでいたカン・ドンウォンを相手役に迎えることに成功。わくわくするような映画を撮りたかったという、ユン・ジョンビン監督ならではの初エンタメ時代劇となっています。兵役後の復帰作となったカン・ドンウォンは、撮影前に4〜5ヶ月もの訓練を重ね、華麗な剣術やアクションを体得。見事にスクリーンで披露しています。また助演陣も豪華で、それぞれに見応えのあるシーンが用意されています。今の韓国映画界に欠かせない役者が揃った、まさに見逃せない1本です。
*尚、上映期間中、一部の劇場では、夏に公開予定のカン・ドンウォン最新作『世界で一番愛しい君へ』(原題:ドキドキ僕の人生)の一部映像を初公開しています。
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