国際市場で逢いましょう
(国際市場/Ode To My Father)
story
釜山の国際市場で古くから続く雑貨屋「コップンの店」を営む老主人のドクス(ファン・ジョンミン)は、妻のヨンジャ(キム・ユンジン)やたくさんの家族、友人たちに囲まれて幸せに暮らしている。しかし最近「コップンの店」一帯は立退きを迫られており、ドクスだけが頑に拒否していた。大切な理由があるのだ。
1950年12月、朝鮮戦争の最中。興南波止場では米軍部隊の大規模な撤収が行われていた。戦渦を逃れた避難民も押し寄せ、船に乗り込もうとしていた。その中に、家族と少年ドクス(オム・ジソン)もいたが、船によじ登る途中でおぶっていた妹マクスン(シン・リナ)が海に落ちてしまう。父(チョン・ジニョン)は「今からお前が家長だ。家族を守ってくれ」と言い残し、妹を探すため船を降りた。
罪の意識と責任感を背負ったドクスは、母(チャン・ヨンナム)や弟、妹たちと共に逃げのび、1951年初頭、釜山の国際市場で小さな店を営む叔母コップン(ラ・ミラン)のもとに身を寄せる。ドクスは靴磨きで家計を助け、映画館の息子ダルグ(チャン・テウン)とも親友になる。1953年7月、戦争は停戦となるが、南北分断のせいで故郷・興南へは戻れなくなってしまう。
1963年、青年になったドクスは肉体労働で懸命に家族を支えていた。優秀な弟スンギュ(イ・ヒョン)は名門ソウル大学に合格するが、学費が必要だ。ドクスは高収入が稼げる西ドイツの出稼ぎ鉱員募集を知り、ダルグ(オ・ダルス)を誘って応募。難関テストに合格する。二人は夢を抱いて異国へ旅立った。
ところが炭鉱での危険な仕事は過酷を極め、瞬く間に2年が過ぎた。そんな中、看護士として派遣されているヨンジャと街で出会い、不器用ながらも恋に落ちていく。
●アジコのおすすめポイント:
英語タイトルにあるように、これは父親に捧げた物語。朝鮮戦争以降の韓国社会を底辺で支えてきた父親世代に感謝しながら、彼らの苦労を歴史の移り変わりと共に描いた作品です。父親に家族を託され、自分の夢も諦めて懸命に生きた男の数奇な半生が綴られます。演じるのは芸達者なファン・ジョンミン。どんな役柄も自分のものにしてしまう彼ならではの演技もさることながら、親友役のオ・ダルスもいい感じで笑わせてくれ、過酷な人生の中にも愛や感動、幸せな涙があることを見せてくれます。韓国では昨年末に公開されて、歴代2位の大ヒットを記録。日本でも好調なスタートを切っています。ユン・ジェギュン監督からのお礼のメッセージが届いていますので、ここに掲載しておきます。
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