ザ・ヴェンジェンス
(Vengeance Of An Assassin)
story
夢の中でサッカーボールを巡り、兄ジー(ダン・チューポン)と激しく競いあう弟のタン(ナンタウティ・ブンラップサップ)。幼い頃に両親を亡くした二人は叔父ノーム(ピン・ラムプラプルーン)に育てられ、タノム自動車修理店で働いている。無口で真面目なジーと、ゲームに熱中する陽気なタン。対照的な兄弟だが、二人とも両親の死の謎を知りたがっていた。
ある日、叔父さんの隠し部屋で両親の死に関する資料や写真を見つけたジーは、復讐のために出て行ってしまう。写真の男たちを訪ね、闇の組織で働くトンと知り合ったジーは、一緒に戦うため身体を鍛え、銃の腕も磨いていく。そしてトンが殺されると、彼の代わりに依頼を受け取り、凄腕の殺し屋となっていった。
一方、タンはビールで叔父を寝かせた後、隠し部屋のテレビで古いビデオテープを見ながら、ムエタイやナイフの練習に励んでいた。ところが、ノーム叔父さんに見つかりひどく叱られる。彼は兄弟を守るため身を潜め、亡くなった両親に「普通の子に育てる」と約束していたのだ。
ジーは依頼を受け、政治家の娘で女優のプローイ(ニサーチョン・ドゥアムスーンヌーン)を暗殺から救う。ホテルに逃げ込んだ後、プローイは父親に電話して居場所を伝えるが、すでに実家は彼女を狙うポッド(チャットポン・クンシリウティチャイ)たちに占拠されていた。ホテルにやって来た一味と死闘を繰り広げたジーは深手を負ってしまう。
二人はプローイの家の主治医の治療院を訪れる。カンフー達人の医者シーフーは追っ手を撃退。3人はノーム叔父さんの家に逃げ込み、隠れることにするのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
タイ・アクションを世界に知らしめたパンナー・リットグライが、愛弟子のダン・チューポンと若手のナンタウティ・ブンラップサップを主演に作りあげた兄弟の復讐ドラマです。敵の女殺し屋役で、ゲーサリン・エータワッタクンも出演。周りにあるものを武器にしながら、生身のハードアクションが続きます。後半のダン・チューポンはガンアクションが中心に。その分、弟役のナンタウティ・ブンラップサップが様々な生身のアクションを披露。イケメンながら、腕前もなかなかです。さて復讐は果たせるものの、このラスト。どうも続編が想定されていたようなのですが、惜しくもパンナー・リットグライが昨年6月に53歳の若さで急逝。これが遺作となってしまいました。続編ができるかどうかは、愛弟子のダン・チューポン次第かもしれませんね。尚、カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2015での上映は終了しましたが、8月5日にDVDがリリース予定です。
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