バトルヒート(Skin Trade)
story
早朝、カンボジアの農村から少女が夢を抱いてバンコクに向かった。しかし、彼女を待っていたのは、人身売買の手先となっている男。騙された少女は麻薬を打たれ、商品にされてしまう。そんな彼女を救ったのは、顧客のフリをして潜入していた刑事トニー(トニー・ジャー)だった。
トニーは、国際的犯罪組織を牛耳るビクター・ドラゴビッチ(ロン・パールマン)の輸送船が、アメリカのニュージャージーに入港するという情報を得る。一方、ビクターの息子ヤンコ(レオ・ラノ)が経営するナイトクラブに、トニーはミン(セリーン・ジェイド)を潜入させていた。
トニーの情報から、ニュージャージー州のコステロ警部(ピーター・ウェラー)は、FBIのリード捜査官(マイケル・J・ホワイト)と協力して港の強制捜査を決行。積み荷のコンテナでは、少女たちが伝染病に犯され死亡していた。激しい銃撃戦の中、ベテラン刑事のニック・キャシディ(ドルフ・ラングレン)は、ビクターの四男アンドレ(マイケル・G・セルビー)を射殺。ビクターも逮捕する。
ニックは久しぶりに、妻のローサ(タシア・テレス)や娘のソフィア(クロエ・バブクック)と幸せな一時を過ごした。ところがその夜、ビクターの長男ゴラン(マイク・デュパッド)と次男イワン(デビッド・ウェスターマン)が報復にやって来る。彼らはローサを射殺し、ニックの家に放火。ソフィアと負傷したニックは炎に包まれるのだった。
病院で目覚めたニックは、家族の死とビクターの釈放を知らされる。法の手が及ばないドラゴビッチ・ファミリーを自分の手で始末するため、ニックは病院から逃げ出してバンコクへ。暴走するニックを捕らえるため、リード捜査官も後を追い、トニーたちに協力を要請するのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
ドルフ・ラングレンが世界的な問題である「人身売買」問題に鋭く切り込んだ、社会派ドラマアクションです。実際に起こった事件から着想を得て、製作から脚本まで手がけたドルフ。当初は監督に専念するはずでしたが、タイのエカチャイ・ウアクロンタムに監督を任せ、自ら主演することに。出家生活から俳優復帰し、海外の映画にも出演できるようになったトニー・ジャーを迎えての豪華共演となりました。ということで、見どころはやはり、数々のリアルファイトシーンなのですが、ドラマ部分もよくできており、アクションが苦手な方でも感情移入しながら観ることができます。セルビア人の新興マフィアファミリーによる血の絆や兄弟間の葛藤、警察内部の裏切り、熱き二人の刑事の怒りの鉄拳と、盛り沢山。ラストシーンには、この問題に対するドルフの思いが込められているようです。
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