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殺されたミンジュ

製作総指揮・監督・脚本・撮影・編集:キム・ギドク
美術:ホン・チー
衣装:イ・ジンソク
音楽:パク・ヨンミン
出演:マ・ドンソク、キム・ヨンミン、イ・イギョン、チョ・ドンイン、テオ、アン・ジヘ、チョ・ジェリョン、キム・ジュンギ

2014年/韓国
日本公開日/2016年1月16日
カラー/DCP/122分/R18
字幕:根本理恵
配給:太秦
(c)2014 KIM Ki-duk Film.
2014年 ヴェネチア国際映画祭 ヴェニス・デイズ部門
 映画批評家連盟賞 最優秀作品賞


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殺されたミンジュ(一対一/One On One)

story

 5月、ソウル市内の市場で、女子高生ミンジュが屈強な男たちから必死に逃げていた。しかし、ついに追い詰められ、路地の片隅で顔にテープを巻かれ、叫ぶ間もなく殺されてしまう。その事件は、新聞の小さな記事にも載らず、誰にも知られることなく闇に葬り去られた。

 上からの命令で殺害に関わったのは7人。事件から1年後。オヒュン(キム・ヨンミン)は恋人にも仕事の内容を隠していた。デートの帰り道、オヒュンは突然、迷彩服で武装した集団に拉致される。地下室の暗がりで拷問を受ける彼に、リーダー格の男(マ・ドンソク)が「去年の5月9日を覚えているか?その日何をした?」と執拗に問いただす。

 恐怖と自責の念に襲われたオヒュンは、全面的に自白して許しを請うのだった。謝罪文を書かされたオヒュンは、拉致された時と同じように車から捨てられ、解放される。恋人からのメールに「昨夜は疲れて寝てしまった。電話できなくてごめん」と震えながら返すオヒュン。

 その日から、殺害に関わった7人の男たちが、様々な変装をした集団に一人ずつ拉致され、同じように拷問を受けて自白を強要されていった。中には、後悔のあまり自殺する者もいた。しかし、武装集団の仲間たちにも、自分たちがやっていることに疑問を抱き、離脱する者が出て来る。

 一方、事件に関わった者たちが次々と同じ目に遭っていることから、オヒュンは集団の正体をつかもうと密かに動きだしていた…。

●アジコのおすすめポイント:

隠遁生活から復活して以来、次々と作品を生み出しているキム・ギドク監督の最新作です。階級社会が根強い韓国で、様々な事件も起こり、皆の敵意が頂点に達していると感じた監督による権力への怒りが込められています。マ・ドンソク演じる主人公は何者かに娘を抹殺された男。さまざまな理由で社会に不満を持つ者たちと徒党を組み、自らの手で制裁を加えていくのですが、彼らも単なる手先でしかなく、主人公の無念がひしひしと伝わる作品になっています。一方、手先になった男たちもまた憐れ。そんな男の代表を、ギドク作品は11年ぶりとなるキム・ヨンミンが熱演。本作ではなんと一人8役を演じており、幅広い演技力を披露しています。


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