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アトリエの春、昼下がりの裸婦

監督:チョ・グニョン
脚本:シン・ヤンジュン
脚色:チョ・グニョン
撮影:キム・ジョンウォン
編集:ハム・スンウォン
美術:ユ・ヨンジョン
音楽:パク・キホン
出演:パク・ヨンウ、キム・ソヒョン、イ・ユヨン、チュ・ヨンホ、ユン・イェヒ、アン・スビン、チャ・ジョンホ
友情出演:ハン・ヘジン、チング、ペ・スビン、イム・スロン

2014年/韓国
日本公開日/2016年1月30日
カラー/シネスコ/ドルビーSRD/102分
配給:クロックワークス
(c)2014 Studio Hook.
2014年 アリゾナ国際映画祭 作品賞
2014年 ミラノ国際映画祭 作品賞
 主演女優賞(キム・ソヒョン)/撮影賞(キム・ジョンウォン)
2014年 マドリード国際映画祭
 作品賞/主演女優賞(キム・ソヒョン)
2014年 ダラス国際映画祭
 作品賞/撮影賞(キム・ジョンウォン)
2015年 大鐘賞 新人女優賞(イ・ユヨン)

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アトリエの春、昼下がりの裸婦
(春/Late Spring)

story

 1969年、浦項市。高名な彫刻家キム・ジョング(パク・ヨンウ)は、全身が麻痺していく病にかかり、郷里であるこの村で静養生活を送っていた。薬も飲まず、生きる気力を失っている夫を見かねた妻ジョンスク(キム・ソヒョン)は、夫に創作活動をさせようと思い始める。

 米の配給活動中に子連れの若い人妻ミンギョン(イ・ユヨン)を見かけたジョンスクは、背が高く手足の長い彼女を見てモデルにふさわしいと確信。ミンギョンが働く店を訪ね、店の10倍の給金を約束。モデルになって欲しいと頼むが、それがヌードモデルと知りミンギョンは辞退する。

 しかし、夫(チュ・ヨンホ)の借金や暴力ですさんだ生活を強いられているミンギョンは、子どもを連れて屋敷へやって来る。身体を浄め、与えられたワンピースを着て向かったのは湖畔のアトリエ。ジョングは彼女の身体を見て創作意欲を取り戻し、徐々に手の麻痺も回復していく。

 それから、麦わら帽子をかぶり、ワンピースに着替えてアトリエに通う日々が続く。最初はポーズをとるのに苦労していたミンギョンも、ジョングの芸術に対する情熱に感化され、ジョングも逞しく生きるミンギョンの姿にほんとうの美しさを見い出そうとしていた。

 一方、ジョンスクはアトリエには近づかず、元気を取り戻した夫を見守っていた。ところが、彫刻の完成が近づいたある日、高い賃金を怪んだミンギョンの夫が、アトリエに乗り込んで来る…。

●アジコのおすすめポイント:

芸術に生涯を捧げた彫刻家夫妻の静謐な愛と、モデルとなることで二人と出会った若い人妻が、不幸な生活から抜け出して癒されていく様を静かに描いた美しい作品です。創作活動により生きる気力を取り戻し、ついに人間の真の美しさを悟る彫刻家。初めて芸術に触れ、心を開いていく若い女。様々な感情を飲み込み、大きな愛で二人を見守る妻。田舎の伝統家屋や湖畔のアトリエなど、絵画のような美しい風景の中で、ひと組の夫婦と若い人妻が自分自身を取り戻し、病で余命わずかな彫刻家は愛を昇華させていきます。各国の映画祭で多くの作品賞を受賞しているのも納得の文芸作品です。監督は美術出身でこれが2作目のチョ・グニョン。主演は演技派のパク・ヨンウ、韓流ドラマでも活躍するキム・ソヒョン、そして本作で清冽なヌードを披露してデビューしたイ・ユヨン。彼女はこの後の『背徳の王宮』で、同じくヌード女優として注目されたイム・ジヨンと共演。そちらはかなりエロス度が高い作品になっていますが、本作は決してエロスではありません。尚、監督のデビュー作『26年』の主演4人が、ちょっとずつ友情出演しているのでお見逃しなく。


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