ドラゴン・ブレイド(天將雄師/Dragon Blade)
story
紀元前50年、前漢時代の中国。シルクロード国境付近では36の部族による争いが絶えず、西域警備隊の隊長フォ・アン(ジャッキー・チェン)は平和実現のため日夜、警備にあたっていた。
数カ月ぶりに本部のある街に戻ったフォ・アンは、教師をしている妻ショーチン(ミカ・ウォン)と久々に安らぎの時を過ごす。だが、副官イン(チェ・シウォン)が遠征に参加した部下8人が金貨密輸の容疑で逮捕されたという知らせを持ってくる。フォにも同じ容疑がかけられていた。
フォと部下たちは地方長官の監視下に置かれ、辺境の地・雁門関の砦修復に送られる。そこには西域警備隊の創始者フォ将軍(ウィリアム・フォン)が祭られていた。かつて孤児だったフォ・アンは彼に育てられ、後継者となったのだった。地方長官は砦を15日以内で修復できなければ、囚人たちを処刑せよという命令を下していた。
数日後、雁門関に謎の軍隊が現れる。フォ・アンは狼狽する役人に代わって、一人で軍団と対峙する。それは将軍ルシウス(ジョン・キューザック)が率いるローマ帝国軍だった。権力争いに破れた彼は、幼いププリウス(ジョゼフ・リュウ・ウエイト)を暗殺から救い出し、部下たちと東へ逃れてきたのだ。フォ・アンは彼らを砦に招き入れ、やがて友情が芽生えていく。
一方、執政官の父クラッススを暗殺した冷酷なティベリウス(エイドリアン・ブロディ)は、弟ププリウスの命を狙ってルシウスたちを追っていた。その真の目的は、シルクロードへの侵攻と中国侵略だった…。
●アジコのおすすめポイント:
今年で襲名40周年を迎えるジャッキー・チェンによる最新作です。紀元前50年に、前漢とローマ帝国軍が争ったという史実を元に、ジャッキーとダニエル・リー監督が「平和」をテーマにした新しい武侠映画を構想。監督が脚本を書き、ジャッキーがアクションを錬り、7年をかけて本作ができあがったのでした。なにせ相手はローマ軍。キャスティングも豪華で、個性派のジョン・キューザック、実はカンフーマニアだったオスカー俳優のエイドリアン・ブロディと、名優たちを揃え、風格と見応えのある作品に仕上げています。主人公を育てた将軍役でちらっと登場するウィリアム・フォンは、まさに蘭陵王のような雄々しさ。ファン必見です。尚、今回は国際版での上映。オリジナルは127分で、古代史を研究するカレーナ・ラムとヴァネス・ウーが登場しています。
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