見えない目撃者(我是証人/The Witness)
story
3年前、警察官候補生だったルー・シャオシン(ヤン・ミー)は人気スターの弟リャン・ツォン(リウ・ルイリン)と自動車事故に遭う。転落しようとする車に乗っていた弟は、姉に助けを求めていたが助けることができず死亡。シャオシンも失明して警察学校を去る。鋭敏になった感性を活かして社会復帰しているが、弟への後悔の念に囚われていた。
ある雨の夜、帰宅するためタクシーに乗ったシャオシンは、何かにぶつかった衝撃を感じる。「人をはねた!」と直感した彼女は運転手に詰め寄るが、「犬をはねただけだ」と逃げ去ってしまう。しかし彼女は、運転手が事故で負傷した被害者を誘拐して逃走したことを感覚で見破る。
シャオシンは警察へ通報。目の見えない彼女の証言は相手にされないが、シャオシンの鋭い観察力が本物とわかると警察は捜査の協力を依頼。ルー刑事(ワン・ジンチュン)たちと共に現場検証などに協力する。その頃、バンド活動をしている若者リン・チョン(ルハン)が、懸賞金欲しさに事故の目撃者として警察に出頭する。
「あの車はタクシーじゃなくて外車だった」というリン・チョンの証言は、シャオシンのものと矛盾していた。その後、リン・チョンは何者かに襲われ、救急車で病院に運ばれる。シャオシンは頭を打撲したリン・チョンを見舞い、狙ったのは事故の犯人ではと伝えるが彼は相手にしない。
ところが、今度はシャオシンが襲われ、リン・チョンに助けられる。彼のスマホの着メロは弟の歌だった。リン・チョンに親近感を覚えてきたシャオシンは、自分の記憶をたどりなおし、車がタクシーではなかったことに気づく。一方、警察はこの事件が最近ニュースになっている女子大生連続失踪事件と関係していることをつかむ…。
●アジコのおすすめポイント:
韓国のアン・サンフン監督が、キム・ハヌルが主演女優賞をダブル受賞した11年のヒット作『ブラインド』をセルフリメイク。脚本に監督が撮りたかった部分を加え、人間関係やキャラクターにより重点を置いたものにバージョンアップさせました。中国版では主人公二人の関係や感情が丁寧に描かれています。とはいえ、スピーディな展開やリアルな映像表現などは、韓国スタッフならでは。中国映画でありながら韓国映画特有のテイストが加味され、一味違った作品に仕上がりました。主演は映画、ドラマで活躍するヤン・ミー。『20歳よ、もう一度』でデビューしたルハンが活き活きとした演技を見せており、ラストでは歌のサービスもあり。刑事を演じるのは『オルドス警察日記』のワン・ジンチュン。犯人役のチュー・ヤーウェンの怪演も見どころです。
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