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オマールの壁

監督:ハニ・アブ・アサド
脚本:ハニ・アブ・アサド
撮影:エハブ・アッサル
編集:マーティン・ブリンクラー、イヤス・サルマン
美術:ナエル・カン
音響:ラヤ・ドゥバヤ
出演:アダム・バクリ、ワリード・ズエイター、リーム・リューバニ、サメール・ビシャラット、エヤド・ホーラーニ

2013年/パレスチナ
日本公開日/2016年4月16日
カラー/1:2.40/5.1ch ドルビーデジタル/DCP/97分
字幕:松岡葉子(監修:重信メイ)
配給:アップリンク
2013年 アジア大平洋映画賞 作品賞
2013年 カンヌ映画祭 ある視点部門 審査員特別賞
2013年 ドバイ国際映画祭 アラブ長編コンペティション部門
 作品賞/監督賞(ハニ・アブ・アサド)
2013年 ゲント国際映画祭 ヤング審査員賞
2014年 米アカデミー賞 最優秀外国語映画賞ノミネート
2014年 アジア映画批評家協会賞
 監督賞(ハニ・アブ・アサド)
2014年 Camerimage 2014 コンペティション部門 銀賞
2014年 人権の夜映画祭 作品賞
2014年 トラヴァース市映画祭 ベストドラマ賞
2014年 ファジル国際映画祭 コンペティション部門
 監督賞(ハニ・アブ・アサド)
2014年 トロムソ国際映画祭 ノルウェー平和映画賞

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オマールの壁(Omar)

story

 ヨルダン川西岸地区。分離壁が横断するパレスチナの町で、両親や妹弟と暮らすオマール(アダム・バクリ)は、イスラエル軍の監視を避けながら壁をよじ登っては、向こう側に住む幼なじみで親友のタレク(エヤド・ホーラーニ)とアムジャド(サメール・ビシャラット)に会いに行っていた。迷路のような町を自在にすり抜け、タレクの家に入って行くオマール。

 3人は「自由の戦士」になるべく、武装組織エルサレム旅団から銃を入手し、イスラエル軍への襲撃作戦を練っていた。3人が話をしていると、タレクの妹ナディア(リーム・リューバニ)がお茶を煎れてくる。オマールへのティーカップには、いつも小さな手紙が忍ばせてあった。二人は密かに恋人関係にあり、オマールは彼女との結婚を夢見て、パン屋で働いた稼ぎをコツコツと貯めていた。

 ある日、イスラエル兵から不当な暴行と侮辱を受けたオマールは、タレクとアムジャドに作戦決行をもちかける。タレクが司令塔となり、オマールは盗んだ車の運転、アムジャドが狙撃担当だ。そして、分離壁の検問所にいるイスラエル兵の一人に命中するが、数日後、3人はそれぞれイスラエル秘密警察に拘束される。

 証拠がないので無罪になるはずだったものの、パレスチナ人の囚人に化けたラミ捜査官(ワリード・ズエイター)の罠にはまり、オマールは証拠を握られてしまう。軍事裁判になれば最低でも懲役90年だ。「恋人も地獄行きになるだろう」とほのめかされたオマールは、主犯と見られていたタレクの逮捕に協力するという条件をのんだふりをして、釈放されるのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

100%パレスチナのスタッフ&俳優で作られた衝撃作です。イスラエルにあるパレスチナ自治区。壁はその2つを隔てるのではなく、パレスチナ自治区の中に入り込み、町を分断するように建っているとのこと。「自爆テロを防ぐため」という名目ですが、実際はイスラエルの領土拡大の意図があり、国連からは建設中止や違反報告が出ているとのこと。本作はそんな壁に隔てられた友人たち、恋人たちの物語。政治的な背景はあるにしても、物語のテーマは「信頼」の重要性と不安定さに置かれています。ゆえに、この物語はオマールという純粋な青年の恋と友情の行方が主軸となっています。常に人間を描きたいと語る監督は『パラダイス・ナウ』(05)でゴールデングローブ賞最優秀外国語映画賞に輝いたハニ・アブ・アサド。主人公の4人はすべて新人ですが、それぞれ力強い演技を見せており、特に主演のアダム・バクリは強烈な印象を残します。俳優一家出身の彼はニューヨークで活動中。今後の作品にも注目です。


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