名もなき復讐(ある殺人/The Lost Choices)
story
「チェ・ジウンさんのことを話して欲しい」「すべて話したわ」取調室で、カン刑事(ユン・ソイ)は哀れな彼女の物語に想いを巡らせていた。
10年前。射撃選手として活躍していた高校生のジウン(シン・ヒョンビン)は、両親の車で夕食にでかけるが、不良たちのバイクにからまれて接触事故を起こし、両親は死亡。ジウンは話せなくなってしまう。卒業後、ジウンは親友のウォンギョン(イム・ソジュ)と生地工場で働いていた。ジウンは得意のイラストで面接を受け、よい感触を得る。一方、ウォンギョンは上司からセクハラを受けていた。
その頃、仁川警察のパク刑事(キム・ギョンシク)は暴力団に都合した金の回収がうまくいかず、焦っていた。その夜に、事件は起こる。会社の飲み会を抜け出して帰る途中、ジウンは3人の若い男に襲われ、2人からレイプされてしまう。警察に通報したジウンを担当したのはパク刑事だった。適当にあしらわれたジウンは失望して帰宅する。
ところが、彼女の身分証を持った男が部屋で待っていた。さっきの男たちの1人だ。再び襲われたジウンは反撃し、弾みで相手を殺してしまう。心配したカン刑事が部屋を訪れるが、ジウンは入れることができない。翌朝、ジウンに合格メールが届く。カン刑事も職場へやって来て力になろうとする。しかし、ジウンは戻れない道へと進んでいく…。
●アジコのおすすめポイント:
明るく才能のある女性が次々と不幸にみまわれ、ついには復讐の血で手を染めてしまうという、やるせないドラマです。そこに汚職刑事と暴力団の話が絡み、警察の目をうまくすり抜けながら、自分や友を傷つける奴らを始末していきます。なぜなら、彼女は銃の名手だったから。そんな彼女を救おうとする女刑事が語り部となっています。監督はこれが長編デビュー作となるアン・ヨンフン。ドラマ「武士ペク・ドンス」で共演していたシン・ヒョンビンとユン・ソイが再び肩を並べ、哀しい刺客となっていくヒロインと、正義感の強い女刑事を好演しています。人生の皮肉に弄ばれたかのような主人公に、ターニングポイントはあったのか?!
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