ママ、ごはんまだ?(-----)
story
一青妙(木南晴夏)と妹の一青窈(藤本泉)が、かつて父や母と暮らした家にやって来る。主人を失った古い家を建て替えるため、20年ぶりに荷物を整理しに来たのだ。母のかづ枝(河合美智子)が作る台湾料理の音や匂いに包まれていた懐かしい家。父(呉朋奉)の大きな金庫には古い家族写真が眠っていた。そして、押入れの奥にあった箱には、母が習った台湾料理のレシピを綴ったノートがあった。
1968年、台湾人の父と日本人の母は劇的な出会いをした。ホテルのフロント嬢だった母に、上得意の客だった父が惚れ込み、強引にプロポーズしたのだ。異国への憧れもあって父と結婚した母は、台湾の名家、顔家の嫁として台湾料理を習い、大家族で暮らしていた。しかし、当時の政局で身の危険を感じていた父は、娘たちに日本の教育を受けさせようと東京へ移り住む。
しかし、ほどなく父は肺がんで亡くなり、一家は母と姉妹3人の母子家庭となる。父は家族が日本で暮らしやすいように、母方の姓「一青」に変えてくれていた。母はいつも明るく前向きで、食事はいつも台湾料理。姉妹の台湾式弁当もクラスで評判だった。日本式弁当に変えてもらったこともあるが、やっぱり台湾式の方が美味しかった。
役所で働きはじめたかづ枝は、同僚の女性たちに台湾式ちまきを教えることにする。得意の豚足は親しくなった肉屋の主人(甲本雅裕)に用意してもらった。年頃の妙には複数のBFがいて、かづ枝は彼らも招待する。賑やかで楽しいひととき。美味しい料理に皆の心が和む。しかし、そんな母が病に倒れてしまう…。
アジコのおすすめポイント:
歌手として活躍する一青窈さんと、その姉で、歯科医、女優、エッセイストなどをマルチにこなす一青妙さんの家族の物語です。台湾財閥の顔家(2007年に一青妙さんがナレーションをつとめた『風を聴く/台湾・九イ分物語』もご覧ください)を父に持つお二人の母、かづ枝さんが主人公と言ってもいいでしょう。父方の故郷であり、姉妹が生まれ、幼い頃に過ごした台南市での暮らしと、その後、東京に移り住んでからの暮らしが、かづ枝さんが作る美味しい台湾料理と共に描かれています。演じているのは演技派女優の河合美智子。お肉屋さんとのエピソードや結婚前の元カレとの再会など、豪快で明るい母親だけでなく女性としてのかわいらしさも見事に体現しています。中能登町町政10周年記念行事として製作された本作の監督は白羽弥仁。お粥、ちまき、豚足、大根餅…と、画面に登場する料理の数々に、お腹が空くこと間違いなし。絶対、台湾料理が食べたくなりますよ。
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