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マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白

製作:ギョーム・デ・ラ・ブライユ、チャ・ジェクン
監督:ユン・ジェホ
撮影:ユン・ジェホ、タワン・アルン
編集:ナディア・ベン・ラキド、ポーリーン・カサリス、
   ソフィ・プロー、ジャン=マリー・ランジェル
音楽:マシュー・レグノー
出演:マダム・ベーと2つの家族

2016年/韓国・フランス
日本公開日/2017年6月10日
カラー/DCP/72分
字幕:
配給:33 BLOCKS
(c)2016 Irresistible Alpha Limited, Edko Films Limited, Focus Films Limited, Good Friends Entertainment Sdn Bhd.
2016年 モスクワ国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー映画賞
2016年 チューリッヒ国際映画祭
 最優秀ドキュメンタリー映画賞
2016年 全州国際映画祭 観客賞


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マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白
(マダムB/Mrs.B.-A North Korean Woman)

story

 2013年、監督のユン・ジェホは取材のため中国へ渡る。そこで、脱北ブローカーとして活躍する北朝鮮女性B、マダム・ベーと出会い、彼女から取材可能な脱北者を紹介してもらうことになった。ある日、マダム・ベーは中国で一緒に暮らす家族の元へユン監督を招いた。なぜ、中国人の夫と家族がいるのか?なぜ、危険を冒してまで脱北ブローカーをやっているのか?マダム・ベーは言った。「私を記録しなさい」

 北朝鮮から出稼ぎのつもりで中国へ渡ったマダム・ベーは、騙されて中国の農村に嫁として売られていた。しかし、彼女は脱北ブローカーとして中国夫の家族の生計を助けながら、北朝鮮にいた家族も脱北させていた。そして、先に韓国へ脱北させた息子たちの生活を安定させるため、自身も中国から韓国へ渡る決心をする。戸籍のない彼女も脱北ルートを行くしかない。現在は比較的安全な、ラオスからタイを経由するルートが急増している。

 バンコクの難民センターへたどり着くと、まず身元調査が行われ、受入れ可能な国のうちどの国へ行くか選択を迫られる。脱北者の多くは同じ言語と食文化を持つ韓国での定住を希望する。バンコクに到着後、ユン監督は不法入国で強制送還、マダム・ベーは難民支援センターに収容された。

 約10ヶ月後、ユン監督は韓国でマダム・ベーを見つける。マダム・ベーに夢見た幸せは訪れているだろうか?

アジコのおすすめポイント:

北朝鮮、中国、そして韓国と、国境を越えて数奇な運命を生き抜いていく女性のドキュメンタリーです。当初は脱北目的ではなく、家族のために1年間のつもりで出稼ぎに出たマダム・ベー。ところが、騙されて中国の農村へ嫁として売られてしまいます。しかし、彼女はその境遇を受け入れ、北朝鮮に残してきた家族のことも考えて脱北ブローカーの道へ。すでに、息子と夫を韓国へ脱北させていたのでした。監督が出会ったのは、その頃の彼女。前半は危険と隣り合わせの中、たくましく生き抜く女と、そんな妻を頼りに生きる中国夫の家族が登場します。そして自分自身の脱北。ところが、韓国で待っていた生活は…という矛盾。マダム・ベーの表情や変化に一人の女の生きざまが映し出されていきます。監督はフランスで映画を学び、短編映画やドキュメンタリーで頭角を現している新鋭ユン・ジェホ。分断が生み出した様々な事象への疑問を追いかけています。


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