MASTER/マスター(Master)
story
ワン・ネットワークは、数万人の個人投資家から巨額の資金を集め、国家の要人に賄賂をバラまいて莫大な利益をあげてきた。創始者は巧みな弁舌で人心を操るチン・ヒョンビル会長(イ・ビョンホン)、キムママと呼ばれるパートナーのキム・ミヨン(チン・ギョン)、天才プログラマーのパク・チャングン(キム・ウビン)の3人。新たな投資計画のイベント会場で、チン会長は華麗なスピーチを繰り広げていた。
会員投資家たちの熱い期待で盛り上がる中、彼らをクールに凝視している男がいた。知能犯罪捜査班長のキム・ジェミョン刑事(カン・ドンウォン)だ。彼はチン会長らを一網打尽にするために、半年前から内偵を続けていた。今回の投資計画には、不正な被害に遭った預金者に全額返金を補償する「預金者保護法」が初めて採用されることになり、同社は瞬く間に総額4兆ウォンもの預金を入手する。
キム刑事ら捜査班は若いパクに接触。「帳簿ファイルを盗み出せば執行猶予にする」と司法取引を持ちかける。パクは自分の身を守るため警察に協力するが、この機に乗じてチン会長の資産をハッキング。着服後に会長を警察に渡し、逃走しようと企んでいた。しかし、内部に裏切者がいるとチン会長が気づいたため、自分が裏切者だ告白。捜査班にニセの帳簿ファイルを渡すふりをして原本を持ち去る。
チン会長はパクのもとに刺客を送り込み、ファイルを取り返すとキムママと共に行方をくらました。ワン・ネットワークに投資した約4万人は総額3兆ウォンもの詐欺被害者に転落。一命を取り留めたパクの人生も破綻する。キム刑事も班長を辞任するが、彼を信じる警察庁長官(チョ・ヒョンチョル)やシン警部補(オム・ジウォン)らの協力のもと、密かに捜査を進めていった。
1年後、弁護士ファン(オ・ダルス)のもとで被害者たちの債権協議会が開かれ、キム刑事はパクと再会する。その頃、逃走したチン会長とキムママがベトナムで死体となって発見されたというニュースが流れる。偽装に気づいたキム刑事はパクも加えてチームを招集。潜伏先のマニラを舞台に、新たな作戦が開始される…。
アジコのおすすめポイント:
実力派のイケメン3世代スター競演による、華麗なクライム・アクション・エンターテイメント作品です。ベースとなっているのは、韓国社会を揺るがした実在の「チョ・ヒパル詐欺事件」(3万人が4兆ウォンの被害に遭う!)ですが、シリアスな告発映画ではなく、稀代の詐欺師と彼を追う敏腕刑事、勝負の鍵を握る天才ハッカーの3人が繰り広げる追いつ追われつの頭脳戦が見どころ。韓国からフィリピンのマニラにまで舞台を広げ、大規模なロケを敢行したスケールの大きい作品に仕上がっています。監督は『ひとまず走れ!』『監視者たち』のチョ・ウィソク。適度なユーモアも漂わせながら、前へ前へと進んで行くストーリー展開で、登場人物のキャラクターを楽しみながら物語に身を委ねることができます。これぞ娯楽映画の醍醐味。先輩格のイ・ビョンホンはさすがの演技力で、魅力的な悪役をコミカルに演じ、一本気な刑事とのコントラストを表現。俳優としての重みが増してきたカン・ドンウォンも、クールで自信に満ちた刑事役を堂々と演じています。ファンは必見。エンドロールの後に、粋なクロージングエピソードがあるので最後までお見逃しなく!
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