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苦い銭

監督:ワン・ビン
脚本:ワン・ビン
撮影:前田佳孝、リュウ・シャンホイ、シャン・シャオホイ
   ソン・ヤン、ワン・ビン
編集:ドミニク・オーヴレイ、ワン・ビン
出演:胡州の出稼ぎ労働者の人々

2016年/フランス・香港
日本公開日/2018年2月3日
カラー/16:9/DCP 5.1/163分
字幕:樋口裕子
配給:ムヴィオラ
(c)2016 Gladys Glover-House on Fire-Chinese Shadows-WIL Productions
2016年 ヴェネチア映画祭
 ヒューマンライツ賞(ワン・ビン)
 オリゾンティ部門 脚本賞(ワン・ビン)


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苦い銭(苦銭/Bitter Money)

story

 雲南省に住むシャオミンを出稼ぎに送り出すため、送別会が開かれている。先に出稼ぎに出ているユェンチェンが、迎えに来ていた。バスに乗り、列車を乗り継いで、向かった先は浙江省湖州。そこにある縫製工場で新たな生活が始まる。ユエンチェンの従弟シャオスンも出稼ぎに来ていたが、仕事に馴染めず、1週間で故郷に戻ることになる。

 同じ工場で働くリンリンは安徽省の出身。郷里に子どもを残し、夫のアルヅと夫婦で出稼ぎに来ている。前の工場で右手の指を切断したアルヅは、いつも手袋をしている。彼は麻雀とインターネットができる雑貨屋を始めたが、経営状態は芳しくない。リンリンの気遣いのなさから苛立ちが募り、夫婦喧嘩が絶えない。

 仲裁に入るのは、いつもアルヅの店で麻雀をしている親切なラオイエだ。彼と同じ部屋で暮らすホアン・レイは、いつも酒びたり。工場の社長が真面目に働くよう諭す。ファンビンは工場を解雇され、別の工場へ移ることになるが、臆病なので大きな工場が怖い。

アジコのおすすめポイント:

今や経済大国となりつつある中国では、誰もが豊かさを求めて「金」を稼ぐことに必死。そんな中国での出稼ぎ労働者に焦点をあて、縫製工場で働く様々な人々の人生を見つめたワン・ビン監督のドキュメンタリー作品です。今回もドキュメンタリーでありながら、劇映画さながらのドラマチックな場面が登場。特に夫婦喧嘩の場面は圧巻で、この夫婦、大丈夫なんだろうか?と心配になってしまうのですが、ちゃんと安心できる場面も映されています。労働者から社長に至るまで、様々な人々の悲喜こもごもが色鮮やかに活写された本作。観る者を惹きつける力強い映像と巧みな編集により、ヴェネチアで脚本賞を受賞したのも納得です。


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