logo

長江 愛の詩

監督:ヤン・チャオ
脚本:ヤン・チャオ
撮影:リー・ピンビン
編集:コン・ジンレイ、ヤン・ミンミン
美術:イー・チャオ
音楽:アン・ウェイ
出演:チン・ハオ、シンー・ジーレイ、ワン・ホンウェイ、ウー・リーポン、チァン・ホワリン、タン・カイ

2016年/中国
日本公開日/2018年2月17日
カラー/スコープサイズ/DCP/115分
字幕:鈴木真理子
配給:エスピーオー
(c)Ray Production Limited. Lemon Tree Media Company Limited.
2016年 ベルリン国際映画祭
 銀熊賞=芸術貢献賞(リー・ピンビン)
2016年 アジア太平洋映画祭 撮影賞(リー・ピンビン)
2016年 台湾金馬奨 撮影賞(リー・ピンビン)
 音響効果賞(ファン・タオ、ハオ・チーユー)
2016年 TheWIFTS基金国際ビジョナリー賞
 審査員賞(コン・ジンレイ、ヤン・ミンミン)
2017年 アジアフィルムアワード
 音響賞(ファン・タオ、ハオ・チーユー)

p2

p3

長江 愛の詩(長江図/Crosscurrent)

story

 父を亡くしたガオ・チュン(チン・ハオ)は、河の民の風習に習い、黒い魚を釣って水をはった香炉に入れた。魚が死んだ時、父も安らぎを得るのだ。父の古い貨物船、広徳号の船長となったガオ。文学青年の彼は、夜空に花火があがる上海の船着場で、双眼鏡越しにひとりの女性を目撃する。生活に疲れた、さほど若くない女だが、ガオはなぜか心を惹かれた。ほどなく、女の船に客の男がやってきた。

 翌日、ガオはベテラン機関士シアン(チァン・ホワリン)に操縦を習いながら、若い船員のウー・シュン(ウー・リーポン)と共に出航。機関室で錆びついた缶を見つける。中には「長江図」と書かれた手書きの詩集がある。それは20年前の1989年、宜賓の3号桟橋から始まっていた。

 江陰に着いたガオは街を散歩するうちに、運河を挟む対岸で彼と一緒に歩く女に気づく。上海で見かけた女だ。その女アン・ルー(シン・ジーレイ)の粗末な家に立ち寄ったガオは、再会を喜び身体を重ね合わせる。

 港でルオ社長(タン・カイ)から積荷を請け負ったガオたちは、すぐに出発。南京に着き、葦の生い茂る河岸を散策中、ガオはアン・ルーを見つける。「未来はどうなっているの?」混乱した様子の彼女が河に飛び込むが、どこにもいない。ガオははるか彼方を泳いでいるアン・ルーを目にする。

 それから、ガオは次々と奇妙な体験をする。萩港の万寿塔では、アン・ルーに似た女の声が導師と話すのが聞こえた。銅陵では、はつらつとしたアン・ルーと再会。洪水で荒廃した村を歩き回り、彼女の家で愛し合った。ここにずっと居たい、と別れを惜しむガオ。しかし、彼女には夫がいた。

 香炉のことでウー・シュンと口論になったガオは、魚を網に入れて船につないだ。それ以来、詩の書かれた場所に着いても上陸しなかった。しかし、アン・ルーは彼を待っていた。アン・ルーは「長江図」と関係があるのだろうか…。

アジコのおすすめポイント:

なんとも不思議で美しい詩のような作品です。父を弔いながら古い船に乗り、上海から長江を遡り、三峡ダムを渡って源流へと上っていく旅。その途中で出会う女は、だんだんと若返っていきます。20年前に書かれた詩に導かれるように、20年の歳月を遡っていく女と河。大きく変貌する中国で、大好きな長江の美しさをフィルムに収めようと脚本に3年をかけ、10年もかかって完成させたヤン・チャオ監督の渾身作です。その目をみはる映像を雄弁に撮影したのは、世界で活躍する「光と影の魔術師」マーク・リー・ピンビン。主人公を演じるのは、ロウ・イエ監督作の常連で、最近では『空海ーKU-KAIー 美しき王妃の謎』にも出演しているチン・ハオ。ミステリアスな女性をTVドラマで活躍し、『修羅 黒衣の反逆』にも出演している若手人気女優シン・ジーレイが演じています。果たして、主人公が源流で出会う真実とは? 変わりゆく長江の20年にも思いを馳せつつ、画面に広がる雄大な景色をぜひスクリーンで堪能してください。


p4p5p6

p7p8p9

▼公式サイト 閉じる