時間回廊の殺人
(時間の上の家/House of the Disappeared)
story
1992年、カン・ミヒ(キム・ユンジン)は夫チョルジュン(チョ・ジェユン)と息子ヒョジェ(パク・サンフン)を殺害した容疑で逮捕される。判決は懲役30年。だが25年後、ミヒは警察による監視付きで仮出所し、自分の家に戻ってきた。ウィルン洞34番地にあるその家は、事件当時のままだった。あの日以来、失踪したままのヒョジェをミヒは探し出そうとしていた。この家のどこかにいるはずだ。
福祉管理局からチェ神父(オク・テギョン)がミヒを訪ねてやって来る。受刑者のケアが目的だが、彼はあの日、一体何が起こったのかを知りたがっていた。だが、ミヒ自身にも未だに信じられないような出来事が起こったのだ。彼女はこの家と対決しようとしていた。
当時、ミヒたち一家は10年前にこの家に越してきていた。息子は二人。病気で亡くなった前夫の息子ヒョジェと、再婚したチョルジュンとの間に生まれた弟のジウォン(コ・ウリム)だ。兄弟は仲良く育ったが、チョルジュンはジウォンだけをかわいがっていた。そんなある日、家の中で何者かの気配を感じたミヒ。それ以来、彼女は家の中で不思議な人たちの姿を目にすることになる。
ヒョジェとジウォンも何者かを目撃していた。しかし、ミヒが部屋へ行くと二人は落ち着いており、ヒョジェは紙切れをミヒに渡す。そこには「出て行け。子どもが死ぬ」と書いてあった。家にまつわる怪しい噂を知っている隣人から地相鑑定師(イ・ハヌィ)を紹介され、彼は地下室にある扉から声がすることに気づく。だが、扉の中は黒いモルタルで閉ざされていた。
引越しを勧められたミヒは、巫女(パク・チュンミョン)に相談に行く。一方、チェ神父は前の住人たちのことを調べ、1942年、1967年、1992年と、25年周期で失踪事件が起きていることを突き止める…。
アジコのおすすめポイント:
家にまつわるサスペンススリラーです。脚本は『プリースト 悪魔を葬る者』で監督デビューしたチャン・ジェヒョン。監督は『ホラー・ストーリーズ』のイム・デウン。タイトルにあるように、時間がこの謎のキーになっているのですが、ホラー映画が得意な監督による演出で、全体的にはホラータッチの作品に。謎が解けてみればそんなに怖いお話ではないのですが、やはりどきどきするので、この手の作品が苦手な方はご注意を。もっとも、テーマとなっているのは「母の愛」。息子を思う母親が25年目にとった行動とは? それは、果たして正しい選択だったのか? さまざまな疑問が残るものの、やはりそうしてしまうのが「母の愛」ということになるのでしょう。「スリラーの女王」とも呼ばれるキム・ユンジンが、主人公の若い頃と老女を演じ分けてみせます。もうひとつの見所が、K-POPの人気グループ・2PMのテギョンの出演。彼のファンなら必見です。 |