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海を駆ける

監督:深田晃司
脚本:深田晃司
撮影:芦澤明子
照明:永田英則
編集:深田晃司
美術:Dita Gambiro
VFX:太陽企画/+Ring
音響:K&AG
音楽:小野川浩行
出演:ディーン・フジオカ、太賀、阿部純子、アディパティ・ドルケン、セカール・サリ、鶴田真由

2018年/日・仏・インドネシア
日本公開日/2018年5月26日
カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1ch/デジタル/107分
配給:日活 東京テアトル
(c)2018 "The Man from the Sea" FILM PARTNERS/NIKKATSU, Tokyo Theatre, Amuse, TAIYO KIKAKU, The Asahi Shimbun Company, TBS Service, Comme des Cinemas, Kaninga Pictures

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海を駆ける(The Man from the Sea)

story

 インドネシア、バンダ・アチェの海の中から、その男(ディーン・フジオカ)は現れた。海岸にたどり着いた男は、疲れ切ったように砂浜に倒れこむ。

 日本からアチェに移住し、NPO法人で災害復興の仕事をしながら息子タカシ(太賀)と暮らす貴子(鶴田真由)。その日は、タカシの同級生クリス(アディパティ・ドルケン)とその幼馴染でジャーナリスト志望のイルマ(セカール・サリ)が、貴子の家で取材をしていた。その最中に、正体不明の日本人らしき男が発見されたと連絡が入る。

 まもなく日本からやってくる親戚サチコ(阿部純子)の出迎えをタカシに任せ、貴子は男の身元確認にかけつける。記憶喪失ではないかと診断された男は、しばらく貴子が預かることになった。海で発見されたので、インドネシア語で「海」を意味するラウと名付けられた。

 片言の日本語とインドネシア語は話せるようだが、ラウはいつもただ静かに微笑んでいた。サチコには旅の目的があった。亡くなった父がかつて写真を撮った海のある場所を探していたのだ。彼女に好意を持ったクリスは、サチコに協力する。写真家志望のタカシはイルマが気になるようだ。

 そんな彼らがラウと一緒に過ごすうちに、次第に不可思議な現象が起こり始める。彼が歌うと災害で行方不明になった家族の姿が見えた。森で倒れている少女を瞬時に元気にした。サチコの夢の中に現れて、彼女を目的の海へと連れていった。果たして、彼の正体とは…。

アジコのおすすめポイント:

インドネシアを舞台に、人間と自然の共存を描いたファンタジー作品です。バリ島もある赤道直下のインドネシア。イスラム教、ヒンズー教と宗教もさまざまですが、自然信仰が根強く、神と共に生きる人々というイメージがあります。そんなインドネシアへ、東日本大震災後の12月、津波と防災のシンポジウムの撮影で初めて訪れた深田晃司監督(2016年に『淵に立つ』でカンヌ映画祭「ある視点」部門の審査員賞受賞)が強いインスピレーションを受け、本作が誕生するきっかけとなっています。主演は、今や日本の人気俳優となったディーン・フジオカ。共演は『ほとりの朔子』(13年・深田監督)に続く共演となった鶴田真由と太賀。そのほか、日本とインドネシアのフレッシュな若手俳優たちが共演しています。不思議な男ラウを演じるディーンのセリフは少ないものの、その佇まいや無垢な笑顔が自然を象徴するかのような役柄にぴったり。海原を駆けるシーンは圧巻。「ああ、私も海を駆けてみたい!」そんな気分に浸れます。


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