監督:グリンダ・チャーダ
脚本:ポール・マエダ・バージェス、モイラ・バフィーニ
グリンダ・チャーダ
撮影:ベン・スミサードB.S,C
編集:ヴァレリオ・ボネリ、
美術:ローレンス・ドーマン
衣装:キース・マッデン
音楽:A・R・ラフマーン
出演:ヒュー・ボネヴィル、ジリアン・アンダーソン、マニーシャ・ダヤール、フマー・クレイシー、リリー・トラヴァース、ジャズ・ディオール、オーム・プリー、マイケル・ガンボン、ニーラジ・カビ、デンジル・スミス、タンヴィール・ガニー、サイモン・キャロウ、デヴィッド・ヘイマン
2017年/イギリス
日本公開日/2018年8月11日
カラー(一部モノクロ)/2.39:1/5.1ch/106分
字幕:チオキ真理
配給:キノフィルムズ/木下グループ
(c)Pathe Productions Limited, Reliance Big Entertainment(US) Inc., British Broadcasting Corporation, The British Film Institute And Bend It Films Limited, 2016
2017年 ワールド・サウンドトラック・アワード
観客賞(A・R・ラフマーン)
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英国総督 最後の家(Viceroy's House)
story
1947年、第二次世界大戦で国力が疲弊したイギリスは、植民地インドを去ると決意。主権譲渡のためマウントバッテン卿(ヒュー・ボネヴィル)が新総督に任命され、家族と共にインドの首都デリーにある官邸へやって来る。
数百人もの使用人に出迎えられた新総督一家。その中には、幼馴染ドゥリープ(ジャズ・ディオール)のツテで働くことになった青年ジート・クマール(マニーシャ・ダヤール)もいた。二人はマウントバッテン卿の秘書に抜擢される。官邸の中で、ジートは新総督の娘パメラ(リリー・トラヴァース)の世話係に任命されたアーリア(フマー・クレイシー)を見かけて驚愕する。ジートは2年間も彼女を探していたのだ。
かつて警察官だったジートは、ラホール刑務所に勤務していた。アーリアの父親(オーム・プリー)はデモに加わって投獄されていたが、面会が許されず、ジートが手紙や食料を届けていたのだ。その頃から、ジートはアーリアに想いを寄せていた。二人は再会を喜ぶが、投獄によって失明した父親と暮らすアーリアには、幼い頃からの婚約者がいた。さらに、二人の信仰も違っていた。
マウントバッテン卿は「最後の総督として主権譲渡の任務を、誇りを持って遂行する」心構えだが、妻エドウィナ(ジリアン・アンダーソン)は、夫以上にインドの人々の平安を願っていた。インドに親しむため食事もインド式を取り入れさせ、厨房を驚かせる。非識字率が92%であることや、子どもの半数が5歳前に死ぬことなど、インドの現状に深く心を痛めていた。
今、インド全土で暴動が起きていた。ヒンドゥー教徒とシク教徒は統一インドを望み、ムスリム連盟は分離とパキスタン建国を望んでいる。国民会議派とムスリム連盟の対立は民衆にまで及んでいた。統一か分離か、総督は最善の道を探るため、国民会議派のネルー(タンヴィール・ガニー)やガンディー(ニーラジ・カビ)、ムスリム連盟のジンナー(デンジル・スミス)と話し合うのだが…。
アジコのおすすめポイント:
インドとパキスタンが誕生するまでの歴史的経緯を史実に基づいて描いた歴史ヒューマンドラマです。監督は『ベッカムに恋して』(02年)で注目されたグリンダ・チャーダ。祖父がこの1947年にパキスタン側に移住しており、自身のルーツと向き合ったのでした。主人公のマウントバッテン卿はチャールズ皇太子の大叔父。映画化にあたり、皇太子が大叔父の個人秘書だったナレンダル・スィンフの「The Shadow of the Great Game」を読むべきだと推薦し、数日後に俳優志望だったナレンダル・スィンフの息子も監督を訪ねて来るという偶然が重なっています。(マウントバッテン卿の副官役で出演!)マウントバッテン卿を演じるのは「ダウントン・アビー」で知られるヒュー・ボネヴィル。妻役を「Xファイル」のジリアン・アンダーソン、マニーシャ・ダヤールとフマー・クレイシーが分断されたインドの悲劇を象徴する恋人たちを演じています。さらに、当時のインドの要人、ガンディー、ネルー、ジンナー役を俳優たちが見事に再現。大きな見どころとなっています。
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