ファイティン!(チャンピオン/Champion)
story
ロサンゼルス。マーク(マ・ドンソク)が用心棒として働くクラブに、パク・ジンギ(クォン・ユル)がやって来る。腕相撲の賭け試合でマークに試合をさせ、儲けた金で韓国へ帰ろうと誘ったのだ。マークは試合に勝つが、客の怒りを買ってひと暴れするはめに。彼はクラブを辞め、ジンギは持逃げした金で一人韓国へ帰っていった。
しばらくして、ジンギから手紙が届く。韓国のアームレスリング大会に出てチャンピオンを目指そう、という誘いだった。幼い頃に養子に出されたマークは、かつてアームレスリングの世界で次々と優勝。世界チャンピオンの座を目前にしていた。しかし、人種差別で八百長の濡れ衣を着せられ除名されていたのだ。実母の消息も気になるマークはついに帰国を決意する。
スポーツ・エージェントの肩書きを作ったジンギは、帰国したマークに安宿を用意。部屋にはスマホと実母の住む家の住所を描いたメモもあった。坂の上にあるその家を訪れたものの、中から子どもたちが出てきて、マークは身を隠す。兄のジュニョン(チェ・スンフン)は人相のわるいマークに警戒するが、妹のジュニ(オク・イェリン)は「おじさん、何してるの?」と興味を示す。
ジンギが用意していたのは、サラ金とスポーツ賭博を運営しているユ・チャンス社長(ヤン・ヒョンミン)と組んだ危ない試合だった。マークは頼まれた八百長を無視して勝ち続ける。ジンギは大損をしたユ社長から袋叩きに遭い、マークが助けるが警察に捕まってしまう。国籍問題もあり、大使館に通報されるところを救ったのは、実家で会った子どもたちの母スジン(ハン・イェリ)だった。
スジンは子どもたちを送り出した後、マークを見かけていた。スジンの衣料品店はチャンス社長が牛耳るビルの中にあり、マークが賭場で腕相撲をしているところも見ていたのだ。スジンは警察に、実母と幼いマークことペク・スンミンが一緒に写っている写真を差し出す。それは、母が亡くなった後、ずっと大事に持っていたものだった。
アジコのおすすめポイント:
強面、というよりも風貌そのものは愛嬌のあるかわいらしいルックスのマ・ドンソク。かつて移住したアメリカでスポーツインストラクターをやっていたこともあり、英語がペラペラなのはもとより、その体格から悪役なども演じていた彼ですが、大ヒットした『新感染 ファイナル・エキスプレス』での男気のある旦那さん役で注目され、今やマプリーブームに。『犯罪都市』に続く主演作となったのが本作。50センチの上腕筋が見せ場となるアームレスリングを主軸に、実母との絆や母が残した家族との出会い、母子家庭、借金を背負った父を持つ青年などなど、ヒューマンドラマを盛り込んで展開する感動作となっています。彼が再び世界チャンピオンの座を目指すスポ根ものでもあり、白熱した試合シーンでは思わず力が入ってしまいます。監督はこれがデビュー作となるキム・ヨンワン。二人の兄妹がかわいらしく、特に妹役のオク・イェリンちゃんにはメロメロになりそう。共演もクォン・ユル、ハン・イェリ、カン・シニョと、注目の若手スターが揃っており、見どころ満載です。笑えるシーンもたくさんあるので、リラックスしてお楽しみください。
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