バジュランギおじさんと、小さな迷子
(Bajrangi Bhaijaan)
story
パキスタンの山岳地帯にある小さな村で女の子が生まれた。名前はパキスタンの人気クリケット選手シャーヒドにあやかってシャヒーダーと名付けられる。
天使のような愛くるしい少女に育ったシャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)だったが、幼い頃から声を出すことができず、娘の将来を案じた母親に連れられてインドのお寺へ願掛けに行くことに。ところが、帰りの列車に取り残されたまま、再びインドへ行ってしまう。
駅から抜け出したシャヒーダーは、ヒンドゥー教の祭りで賑わう街中へ紛れこむ。そこには、ハヌマーン神の熱心な信者パワン(サルマン・カーン)がいた。底抜けの正直者でお人好しのパワンは、父の友人ダヤーナンド(シャーラト・サクセーナ)の家に居候しながら、愛する女性ラスィカー(カリーナ・カプール)との結婚を夢見て日夜奮闘していた。
お腹を空かせて路頭に迷うシャヒーダーと出会ったパワンは、これもハヌマーンの思し召しと、彼女をダヤーナンド家に連れ帰る。ラスィカーも家の人々も皆、一目でシャヒーダーを気に入り、しばらく預かることにした。声が出せないため、どこに住んでいるのか何の手がかりもつかめないまま、楽しい日々が過ぎていった。
ところがある日、シャヒーダーがパキスタンのイスラム教徒と判明。パワンはシャヒーダーをパキスタンへ返そうと奔走するが、大使館では埒が開かず、怪しい旅行代理店では危うく売り飛ばされそうになる。意を決したパワンは、ついに密入国を決意。波乱万丈の二人旅が始まる…。
アジコのおすすめポイント:
パキスタンからやって来て迷子になった少女を、インドの純朴な青年が少女の家まで送り届ける…簡単なようで実に困難な旅路をスケールの大きな冒険談として描き、対立が続くインドとパキスタンを大きな愛で包んだ感動ドラマです。原案はあの『バーフバリ』シリーズも手がけたS.S.ラージャマウリ監督の父、V. ヴィジャエーンドラ・プラサード。カビール・カーン監督に映画化を持ちかけ、主演したサルマン・カーンがプロデュースも手がけ、自身の最高傑作に仕上げました。これまでのアクションスターのイメージを一新したサルマン・カーンの演技もさることながら、本作の一番の魅力はなんといっても少女を演じたハルシャーリー・マルホートラちゃん。5000人の中から抜擢され、撮影当時6歳にして目と表情だけで見事な演技を見せてくれます。もう一人、パキスタン側で二人の旅を助けるフリー記者を演じたナワーズッディーン・シッディーキーも見逃せません。音楽にもインドとパキスタンのアーティストが参加。カシミールやラジャスタンなど、雄大な自然でのロケも見所満載。国境を挟み、多くの善意に包まれた感動のラストシーンに、真の平和への可能性が見えます。ハンカチ必携!
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