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リトル・フォレスト 春夏秋冬

監督:イム・スルレ
原作:五十嵐大介「リトル・フォレスト」
   (講談社「アフタヌーン」所蔵)
脚本:ファン・ソング
撮影:イ・スンフン
編集:キム・ソンミン
照明:パク・ジュヒョン
美術:ユン・ナラ
音楽:イ・ジュノ
出演:キム・テリ、リュ・ジュニョル、チン・ギジュ、ムン・ソリ、パク・ウォンサン(特別出演)

2018年/韓国
日本公開日:2019年5月17日
カラー/シネスコ/5.1ch/103分
字幕:福留友子
配給:クロックワークス
(c)2018 Daisuke Igarashi/Kodansha
2018年 シン・フィルム芸術映画祭
 チェ・ウニ俳優賞(キム・テリ)
2018年 ディレクターズ・カット・アワード
 スペシャルメンション
2018年 韓国映画批評家協会賞 11本の年度ベスト作品


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リトル・フォレスト 春夏秋冬
(リトル・フォレスト/Little Forest)

story

 ヘウォン(キム・テリ)は雪深い山奥にある一軒家へ向かって歩いていた。恋人と一緒に受けた教員採用試験に、自分だけ落ちてしまったのだ。気まずい空気。就職浪人をしながらのコンビニでのバイト。すべてに疲れたヘウォンには気持ちをリセットするための休息が必要だった。

 やっと家にたどり着き、部屋に倒れこむヘウォン。実家だが今は誰も住んでいない。疲れているけど、お腹も空いている。何か食べなくては。残っていた食材と雪の下に隠れていた畑の野菜で、ヘウォンは温かい料理を作って食べた。暖をとりながら、ヘウォンは眠りにつく。

 翌朝、家の近くをトラックに乗ったジェハ(リュ・ジュニョル)が通りかかった。ヘウォンに気づいたジェハは、用心棒代わりに子犬を連れてきてくれた。田舎に残っている親友のウンスク(チン・ギジュ)によると、都会の大学を出て就職したジェハは都会での仕事や生活が合わず、故郷に帰って両親と果樹園を経営しているらしい。

 畑に野菜を植え、山野草や果実を摘んで、いつも美味しいもの作ってくれた母(ムン・ソリ)。ヘウォンが大学に合格した時、母はふっと出て行ってしまったけれど、自給自足でなんでも作ってしまう母の料理をヘウォンは覚えていた。小豆の蒸餅。栗の甘煮。干し柿。マッコリ。お好み焼。クリーム・ブリュレ…。

 一時的な帰省のつもりだったのに、母親から習った料理を無心で作っているうちに、ヘウォンは四季折々の味を楽しみ、友人たちとの食事や会話に癒されていく。

アジコのおすすめポイント:

就職に失敗し、恋愛にも自信をなくした若い女性が、行き詰まった心をリセットするために故郷に戻り、母が作っていた手料理を自分で作って味わい、旧友たちと語らうことで、自分自身を取り戻していくドラマです。原作は五十嵐大介の大人気コミック。2014年に橋本愛主演で映画化(夏・秋編、冬・春編の二部作)されていますが、本作は「春夏秋冬」と副題があるように、四季を1本にまとめることでテンポのいい作品になりました。「穏やかで気分のいい休息のような映画を観客に贈りたかった」とイム・スルレ監督。都会で暮らし、仕事や恋愛に悩む若者たちに、韓国の美しい四季の風景を見せることで、ちょっと休んでもいいんだよとエールを送っています。舞台に選ばれたのは慶尚北道(キョンサンブクト)。四季をすべてカメラに収めるため、撮影は1年間に及びましたが、主演のキム・テリはすべての撮影を見事にこなしています。彼女が手際よく作る美味しい料理の数々も見所。自分でも作ってみたくなりますよ。


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