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第三夫人と髪飾り

第三夫人と髪飾り(The Third Wife)

監督:アッシュ・メイフェア
脚本:アッシュ・メイフェア
撮影:チャナナーン・チョートルンロート
編集:ジュリー・ベジオ
美術:Do Trong An
美術監修:トラン・アン・ユン
音楽:トン・タット・アン
出演:グエン・フオン・チャー・ミー、トラン・ヌー・イエン・ケー、マイ・トゥー・フオン、レ・ヴー・ロン、グエン・ニュー・クイン、グエン・タイン・タム、ファン・ティ・キム・ガン

2018年/ベトナム
日本公開日:2019年10月11日
カラー/シネスコ/DCP/93分/R15+
配給:クレストインターナショナル
©Mayfair Pictures
2018年 カイロ国際映画祭 最優秀芸術貢献賞
2018年 シカゴ国際映画祭 新人監督部門 最優秀作品賞
2019年 フリブール国際映画祭 ヤング審査員賞
2018年 サンセバスチャン国際映画祭 TVE-Another Look賞
2018年 トロント国際映画祭 NETPAC賞
2018年 アジアン・フィルム・フェスティバル・バルセロナ
 最優秀作品賞
2018年 ミラノ国際映画祭 スペシャルメンション
2018年 ミンスク国際映画祭 審査員スペシャルメンション
2018年 コルカタ国際映画祭 最優秀作品賞
2019年 サラソタ映画祭 審査員賞
2019年 サンチャアゴ国際映画祭 スペシャルメンション
2020年 アジアン・フィルム・フェスティバル 最優秀作品賞

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story

 19世紀のベトナム。14歳のメイ(グエン・フオン・チャー・ミー)は絹商人の富豪(レ・ヴー・ロン)の家に第三夫人として嫁ぐため、船で河を渡っていた。到着すると歓迎の宴が催され、第二夫人であるスアン(マイ・トゥー・フオン)の歌に魅了される。そして、不安だった初夜の儀も無事に終わる。

 翌朝から、家族として働く女たちと一緒に牛の世話をしたり、家事を取り仕切るラオおばさん(グエン・ニュー・クイン)からいろんなことを教わった。第一夫人のハ奥様(トラン・ヌー・イエン・ケー)はソン(グエン・タイン・タム)という息子を産んだ。だが、第二夫人のスアンさんにはまだ男子がいない。だから、奥様とは言えないと。

 二人の夫人は幼いメイに旦那様を喜ばせる方法を授け、かわいがってくれた。スアンには3人の娘がいる。長女リエン(Lam Thanh Tam)は初潮を迎え、そろそろ婚礼だ。次女のニャン(Mai Cat Vi)は生まれ変わったら男になり、奥さんをいっぱいもらうと無邪気にはしゃぐ。そして、蚕が繭を作る頃、メイは妊娠した。

 ある夜、外のトイレに立った時、メイはスアンが灯りをつけて森の中へ入っていくのを目撃する。そっと後をつけると、なんとスアンはソンと逢瀬を重ねていた。二人は日中でも森の中で激しく愛し合っている。メイはそんなスアンを盗み見て、欲情する。

 旦那様はメイを一番気に入りたびたび寝所へ訪れるが、メイが拒むようになり、第一夫人のもとへ。ほどなく、ハ奥様は懐妊する。家族での寺院詣での時、メイは自分に男の子が授かるよう祈るのだった。

 一方、ソンの縁談が決まり、スアンを慕う彼は拒絶。死んでやると騒ぐがスアンにも拒絶され、マオさんが慰めた。そんな中、ハ奥様が流産。メイは自分のせいではないかと怖くなり、スアンを頼った。そしてスアンにマッサージをしてもらった夜、彼女に自分の気持ちを告白するのだが…。

アジコのおすすめポイント:

19世紀のベトナムを舞台に、14歳にして第三夫人として富豪に嫁いだ少女が体験する性と女の運命、様々な出来事に混乱と絶望を感じる様をエロティカルかつ耽美に描いた作品です。アッシュ・メイフェアがニューヨーク大学で映画を学んでいた時に、曽祖母の実話を元に脚本を執筆。スパイク・リーに絶賛されてバックアップを受け、長編初監督作として映画化しました。今やベトナム映画界のニューウェイブを担う大型新人として、世界の映画祭で絶賛されています。トラン・アン・ユン監督も美術監修として参加しており、奥様のトラン・ヌー・イエン・ケーが第一夫人として出演しています。男子を産まなければ夫人として認められなかったり。結婚相手が選べなかったり。主人公は陽気な第二夫人に憧れ、恋心に変わっていくのですが…。毒のある黄色い花を手にするラストは何を意味するのか。長い髪をハサミで切り落とし、男に生まれ変わりたいと願う少女に新しい時代が託されているようです。

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