プロジェクト・グーテンベルク 贋札王
(無雙/Project Gutenberg)
story
世界を震撼させた国際的偽札(贋札)製造集団のレイ・マン(アーロン・クォック)はタイの刑務所にいた。緻密な作業に長けた彼は、密かに切手を偽造。食事係の郵便バッグに手紙を忍ばせる。その後、彼は香港警察へ移送された。
ホー副署長(アレックス・フォン)とその娘でもあるホー警部補(キャサリン・チャウ)により、レイは仲間の殺人容疑など、数々の容疑で取り調べを受けることになる。取り調べの焦点は、今も行方不明になっているチームの首領「画家」と呼ばれる男(チョウ・ユンファ)についてだった。ホー警部補は恋人だったリー捜査官(デヴィッド・ワン)を彼に殺され、復讐心に燃えていた。
取り調べには、レイの友人を名乗る国宝級の女性画家、ユン・マン(チャン・ジンチュー)が同席することになる。彼女はレイの保釈を求めていた。レイは冷酷無比な「画家」の報復に怯えながら、自身の過去について語り始める。
1995年、カナダのバンクーバー。レイとユンは苦しい生活の中で、共に画家としての成功を夢見る恋人同士だった。その後、ユンは画商のロク(カール・ン)に才能を認められ、個展を開いて華々しくデビューする。しかし、レイの絵は有名画家の緻密な物真似としか見られず、生計のために贋作を手がけるまでに落ちぶれていった。
鬱々とする彼の前に現れたのが「画家」だった。親子三代にわたり偽札製造を家業にしていながら、逮捕者はゼロ。「何事も極めれば芸術。心を込めれば、偽物は本物に勝る」と語る彼のカリスマ性に惹かれ、レイは彼が率いるチームに参加するのだが…。
アジコのおすすめポイント:
と、あらすじを書きながら「あーそういうことか!」とつい反芻してしまう、アジコもびっくりの超ドンデン返しサスペンスです。あなたは絶対騙されます!そして、最後まで観終わった後で、必ずやもう一度、いや二度、三度、と観たくなることでしょう。この、不遇なお人好しのか弱い男と、絶対自信に溢れる魅力的なタフガイを、アーロン・クォックとチョウ・ユンファが身につけたイメージと素晴らしい演技力により、血の通った人間として成立させているのです。さすが、『インファナル・アフェア』など数々の名作の脚本を手掛けたフェリックス・チョン。彼ならではのアイデアが詰まった脚本を、監督としても見事に描ききっています。数々の映画賞に輝いたのも納得。ポイントとなるのは、台湾の名優、ジャック・カオが登場するゴールデン・トライアングルでの攻防戦でしょうか。最後の最後まであっと驚く展開は『パラサイト 半地下の家族』にも負けていません。ここまで騙されるとむしろ、心地よいかも。最初は頭をからっぽにして、お楽しみください。サービス・シーンもたっぷりの蘇るチョウ・ユンファ、かっこいいです!
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