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わたしは金正男を殺してない

製作;ジェシカ・ハーグレーブ、ライアン・ホワイト
監督:ライアン・ホワイト
撮影:ジョン・ベナム
編集:ヘレン・カーンズ
登場人物:シティ・アイシャ、ドアン・ティ・フォン、家族、友人、弁護団、ジャーナリスト

2020年/アメリカ
日本公開日:2020年10月10日
カラー/104分
字幕:橋本裕充
配給:ツイン
(c)2020 Backstory, LLC
*世界最速公開!


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わたしは金正男(キム・ジョンナム)を殺してない
(The Assassins)

story

 2017年2月13日午前9時、マレーシアの首都クアラルンプール国際空港でひとりの男が殺害された。男の名は金正男(キム・ジョンナム)。北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)の実兄だ。神経剤VXを顔に塗られ、数分のうちに息絶えた。白昼堂々の暗殺は、トップニュースとして世界を駆け巡る。しかも犯行のすべては空港の監視カメラに収められていた。

 数日後、ふたりの女性が逮捕された。インドネシア人のシティ・アイシャと、ベトナム人のドアン・ティ・フォン。まだ20代半ばの若い女性だ。黒幕と思われる北朝鮮の工作員8人のうち、4人は事件後すぐにマレーシアを脱出。化学の専門家と思われるリ・ジョンチョルだけが捕まった。

 しかし、北朝鮮は重大な人権侵害として、北朝鮮に住むマレーシア人の出国を禁止。解放条件として、マレーシア政府はリ・ジョンチョルとほかふたりを釈放、さらに金正男の遺体も北朝鮮へ引き渡すこととなる。それはふたりの女性を見殺しにする国家間の取引でもあった。

 シティの弁護人にはアズラ・アイリスとセルヴィ・サンドラサガラム、グイ・スン・センが、ドアンにはサリム・パシール、ヒシャム・テー・ポー・テイクら最高峰の人権弁護士がついた。彼らは詳細に事件を追っていく。マレーシアで有罪になれば絞首刑が待ち受けているのだ。

アジコのおすすめポイント:

日本でも大きく報道された事件とその経緯を、実行犯にされてしまった二人の女性に焦点をあて、どうしてこんなことが起こったのかを検証。さらに裁判の展開と結末までを追ったドキュメンタリーです。それぞれに思い通りにならない人生を背負っていた女性が甘い言葉に騙され、どっきりカメラに出演したつもりが暗殺の道具にされてしまったという、なんとも恐ろしい事件。カメラは二人の故郷や友人、家族も取材。二人を助けるために多くの証拠を積み上げていった弁護団の熱意も記録しています。面識のなかった二人は、収監されていた刑務所の中で親友になったそうです。監督は気鋭のドキュメンタリー作家ライアン・ホワイト。「この作品の価値のひとつは、実際の証拠を映像として記録しているところにあると思う」と語る監督が焼き付けた事件の顛末をじっくりとご覧ください。なんと今回が世界初公開です。


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