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野球少女

監督:チェ・ユンテ
脚本:チェ・ユンテ
撮影:ファン・ソンユン
編集:チェ・ユンテ
美術:パク・ジナ
衣装:キム・ソラ
音楽:ピーターパン・コンプレックス
出演:イ・ジュヨン、イ・ジュニョク、ヨム・ヘラン、ソン・ヨンギュ、クァク・ドンヨン、チュ・ヘウン

2019年/韓国
日本公開日:2021年3月5日
カラー/スコープ/5.1ch/105分
字幕:根本理恵
配給:ロングライド
(c)2019 Korean Film Council
2020年 アジアアーティストアワード
 アイコン賞(イ・ジュヨン)
2020年 ニューヨークアジアン映画祭
 国際ライジングスター賞(イ・ジュヨン)


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poster

野球少女(野球少女/Bassball Girl)

story

 その日、高校生のチュ・スイン(イ・ジュヨン)は緊張してマウンドに立っていた。結果発表。野球部メンバーの中で、夢のプロ球団にスカウトされたのは、幼なじみのイ・ジョンホ(クァク・ドンヨン)だった。幼い頃から天才野球少女としてもてはやされていたスイン。高校の野球部に入れたのも、その看板ゆえだったが現実は甘くなかった。

 父(ソン・ヨンギュ)はスインを理解し、幼い頃からずっと応援してくれた。だが、仕事で忙しい母(ヨム・ヘラン)は「卒業したらどうするの?」と詰め寄ってくる。失業中の父親は宅建資格を取るため勉強しているが、何年も受験生のままだ。家計を背負い、幼い妹のせわも引き受ける母は、スインの堅実な就職を願っていた。

 野球以外の道が考えられないスインは、アイドル志願の親友バングル(チュ・ヘウン)に相談してみるが、彼女はオーディションのことで頭がいっぱいだ。野球部のパク監督(キム・ジョンス)からは、韓国女子野球連盟に入って趣味として続けてはどうかと勧められる。そんな中、新しく赴任してきたコーチのチェ・ジンテ(イ・ジュニョク)はスインの投球を見て「お前には実力がない」と言い放つ。

 150キロを投げてプロに行く、そう決意したスインは黙々と練習を続ける。その姿に、かつてプロ球団での夢を諦めたジンテは心を動かされ、スインにトライアウトを受けさせようとする。そして、豪速球ではなく、スインの長所を生かした投球練習が始まる…。

アジコのおすすめポイント:

天才野球少女が、男社会のプロ野球界という壁に向かって突き進んでいく爽やかなヒューマンドラマです。単なるスポ根ドラマになっていないのは、彼女のやる気と情熱が周囲の人々をも変えていくところ。彼女は信じているのです。たとえ豪速球を投げられなくても、打たれなければいい。打たれても取ればいい。自分はそんなボールを誰よりもうまく投げられると。それこそが、ナックルボール。女だから、スローボールだからと侮った選手たちが、次々と空振りしていく小気味良さ。そんな彼女を幼なじみも親友も応援しているし、コーチも自分を超えていく彼女を後押しします。さて、プロ球団の人たちはどうでしょうか…。監督&脚本は本作で長編デビューしたチェ・ユンテ。実話ではないものの、1997年に韓国初の高校野球部に入ったアン・ヒャンミ選手をモデルに描いたとのこと。演じているのは、40日間の特訓でスタントなしのピッチングを披露したイ・ジュヨン(『なまず』「梨秦院クラス」)。撮影当時は20代後半でありながら、すっぴんでストイックな高校生を見事に演じています。信じていれば道は開ける。そんな勇気がもらえる作品です。

*ナックルボールとは:無回転のボールでバッターには球筋が読めず、不規則に変化するのが特徴。「魔球」とも呼ばれているようです。日本では関西独立リーグから米国の独立リーグでも活躍した「ナックル姫」と呼ばれる吉田えり選手が知られています。もちろん、本作へのコメントも公式サイトに掲載されています。


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▼公式サイト ▼予告編