ミナリ(MINARI)
story
ジェイコブ(スティーヴン・ユァン)の一家はカリフォルニアからアーカンソーの高原に引越してきた。車輪の付いた長いトレーナーハウスの前には広大な土地が広がっている。10年かけて手に入れたこの場所はいわく付きだが土がいい。ここで、在米韓国人向けの韓国野菜を作るのだ。
だが、町や職場の孵卵場からも遠く、心臓に障害のある息子デビッド(アラン・キム)を心配する妻のモニカ(ハン・イェリ)は不安でいっぱいだ。何かにつけ喧嘩になる両親に、デビッドも姉のアン(ネイル・ケイト・チョー)も閉口していた。そこでジェイコブは、妻の母親を韓国から呼び寄せることでモニカを説得する。
スンジャ(ユン・ヨジョン)がやって来た。騒がしく毒舌家で、料理はできず字も読めないおばあちゃんに、デビッドは戸惑う。煎じ薬も苦手だ。ある日、スンジャに恥をかかされたデビッドは、腹いせにおしっこを飲ませてしまう。しかし、怪我の手当てをしてもらった時、スンジャに「強い男の子だ」と誉められてから、二人は仲良くなった。スンジャがミナリ(セリ)の種を植えた森の川辺へも遊びに行った。
迷信を信じないジェイコブは、ダウジング棒に頼らず自分で水脈を掘り当て灌漑設備を作った。朝鮮戦争に行ったことがあるという貧しいが誠実そうなポール(ウィル・パットン)を雇い入れ、二人で畑を作っていった。そしてついに収穫するが、納品先に裏切られてしまう。さらに、地下水が枯れて水道水を使い過ぎたため、水道も止められていた。
そんな中、スンジャに思いがけないことが起こり…
アジコのおすすめポイント:
2月12日に全米公開されたばかりの話題作『ミナリ』の登場です。懐かしいマウンテン・デューが流行っていた時代、韓国系移民の一家が土地を手に入れて、韓国野菜の農場を作る夢を実現させようと奔走します。いわく付きの土地ですが、お祓いなんかもしてくれる親切なアメリカ人が手伝ってくれます。そこへ強烈なおばあちゃんが韓国からやって来て…と、いろんなドラマが展開します。様々な障害や困難を乗り越え、夫婦の危機も乗り越えた先にある家族の幸せとは。監督のリー・アイザック・チョンが自身の親の物語をベースに、両親と子どもたちのために書いた脚本で、ブラッド・ピットが惚れ込んで製作総指揮を担当。ささやかな移民家族の物語が数々の映画祭でも感動を呼び、今年のアカデミー賞ではなんと6部門ノミネート!昨年の『パラサイト 半地下の家族』に続き、韓国映画界の至宝、ユン・ヨジョンの受賞が期待されております。『バーニング』で冷血な男を演じていたスティーヴン・ユァンも、本作では喜怒哀楽の激しい生身の頑張るお父さんを好演。コロナ禍だから余計に心に沁みる家族の物語、ぜひスクリーンで味わってください。
|