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夕霧花園（The Garden of Evening Mists）
監督：トム・リン
原作：「夕霧花園」作・タン・トゥアンエン
脚本：リチャード・スミス
撮影：カルティク・ビジェイ
編集：スー・ムン・タイ
美術：ペニー・ツァイ・ペイリン
衣装：ニーナ・エドワーズ
ヘアメイク：ニッキー・グーリー、ビビー・チャウ
特殊メイク：カレン・タン、グレース・チョン
音楽：オン・サン
出演：リー・シンジエ、阿部寛、シルヴィア・チャン、ジョン・ハナー、ジュリアン・サンズ、デビッド・オークス、タン・ケン・ファ、セレーヌ・リム
2020年/マレーシア
日本公開日：2021年7月24日
カラー/ビスタ/5.1ch/120分
字幕：川喜多綾子
字幕監修：山本博之
配給：太秦
© 2019 Astro Shaw, HBO Asia, Finas, CJ Entertainment
2019年 台湾金馬奨
メイクアップ＆衣装賞（ニッキー・グーリー、
ニーナ・エドワーズ、ペニー・ツァイ、ビビー・チャウ）
2020年 To Ten 中国映画祭 傑出作品賞
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story
1980年代のマレーシア。ユンリン（シルヴィア・チャン）は茶畑で有名なキャメロンハイランドへ車で向かっていた。懐かしいゲメル邸で彼女を迎えたのは、父の跡を継いだフレドリック（ジュリアン・サンズ）だ。彼はユンリンがかつてこの地にいた日本皇室庭師の中村有朋（阿部寛）と愛し合っていたことを知っていた。足が不自由になった使用人の面倒もみていた。
中村有朋は今、この地に隠されたという財宝にまつわる旧日本軍スパイとして日本で糾弾されていた。彼の無実を証明しなければならない。マレーシア史上二人目の女性裁判官で連邦裁判所事を目指す彼女にとって、キャリアにスキャンダルがあってはならないのだ。ユンリンはフレドリックと、中村が滞在して作った庭「夕霧花園」を訪れる。
1950年代。日本軍の占領から再び、イギリス統治下に戻ったマレーシアでは、民族主義が活発化していた。戦犯法廷のアシスタントとして働いていたユンリン（リー・シンジエ）は、かつて収容所にいたことがあり心と身体に深い傷を負っていた。日本人を憎んでいたが、収容所で亡くなった妹ユンホン（セレーヌ・リム）の夢を叶えたいとも思っていた。それは昔、天龍寺で見た日本庭園だ。
日本人庭師の中村有朋がキャメロンハイランドで庭造りをしていることを知ったユンリンは、茶畑を経営するイギリス人のマグナス・ゲメル（ジョン・ハナー）を頼って、中村を紹介してもらう。そこは「夕霧花園」と呼ばれていた。中村はユンリンの依頼を断るが、ここで見習いをしながら庭作りを学べば、自分で作ることができると提案する。やむなく、ユンリンは屈強な弟子たちと共に働き始める…。
アジコのおすすめポイント：
マレーシアを舞台に戦時中の1940年代、戦後の1950年代、そして近代の1980年代と、3つの時代を背景に描かれる歴史ロマンスです。茶畑とイギリス統治下時代の別荘地として有名なキャメロンハイランドで、マレーシア人女性と日本人庭師が出会い、庭造りを通して惹かれあっていきます。果たして、彼は日本統治下時代のスパイだったのか？ マレーシアがシンガポールと共にマラヤと言われた時代、1942年から降伏した1945年の間、日本軍が支配していたというのは本作で初めて知りました。原作はブッカー賞候補にもなったタン・トゥアンエンの小説。台湾新世代のトム・リン監督により、国際的スタッフとキャストが集結。格調高い作品に仕上がっています。ヒロインを演じるのはリー・シンジエとシルヴィア・チャン。厳格で繊細な日本人庭師を阿部寛がミステリアスに演じ、日本の精神性を体現しています。ジュリアン・サンズ、久しぶりでしたが、やっぱりイギリスを感じさせる役者さんです。愛の行方をじっくりとご覧ください。
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