整形水(整形水/Beauty Water)
story
少女時代はバレエが得意だったイェジ。だが、外見にコンプレックスがあり、その壁を越えることができなかった。大人になったイェジは芸能事務所でメイクアップ・アーティストをしているが、自暴自棄なまま太ってしまい、高慢でわがままな女優ミリから豚女とまで呼ばれていた。
そんなある日、新人俳優のジフンから「美しい眼ですね」と言われる。たしかに、瞳の色が珍しい色をしている。彼は美醜を気にせず、イェジに優しく接してくれた。CF撮影時、イェジはがつがつと食べるシーンのピンチヒッターを頼まれてしまう。撮影後、ジフンはミリと車で消えてしまった。
やっぱり…と食料を買い込んで帰り、部屋に閉じこもるイェジ。ミリのSNSに悪意の投稿をするうち、「今日のブサイク」というSNSで自分の食べるシーンがアップされていて驚く。顔は映さないと言っていたのに。その時に届いたのが「奇跡の整形水」のメールだった。
イタズラだと思ってクリックしたのに、整形水はほんとうに届いた。20分、顔を浸すだけで、自由に顔を変えられるという。効果は抜群だったが、身体は太ったままだ。事務所を訪れると、商品の広告塔になってほしいと言われる。イェジは両親を説得して大金を用意してもらい、変身する。
服をすべて新調し、名前もキム・ソレと変えて、様々な男性とデートするソレ。どこへ行っても、ソレは注目の的だった。プールパーティでミリを見かけたソレは、前にいた事務所のキム室長からスカウトされる。タレントとして活躍するようになったソレは、俳優を辞めて実業家になったジフンと再会。イェジだと気づかれないまま、親しくなっていく…。
アジコのおすすめポイント:
外見コンプレックスを持ったまま歪んだ生活を送っていた女性が「奇跡の整形水」のターゲットにされ、美に対する執着と欲望から底なしの沼へ落ちていく様を描いたサイコホラーアニメです。原作は人気ウェブトゥーン。監督に抜擢されたチョ・ギョンフン監督が、脚本家のイ・ハンビンに依頼して物語を映画用に膨らませ、実写さながらの(でも、実写では絶対にできない)物語として描いています。整形大国、そしてSNS大国でもある韓国ならではの作品で、そんな社会に警鐘を鳴らすメッセージ性も持っています。つっこみどころも多々ありますが、ラストはかなりショッキング。そして、うーん。この世界はどこかで見たような懐かしさが。年齢がばれてしまいますが、アジコは少女時代に叔父がやっていた貸本屋で漫画三昧の日々を過ごしてました。楳図かずおさんなどの怪奇漫画も結構読んでました。それらの作品群になんか、似てるんですね。テイストとか画風とか、ダークでドライなところが。さらに、日本語吹替版は超豪華な人気声優さんたちが結集していますので、若者から貸本世代の方までお楽しみいただけると思います。
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