DUNE/デューン 砂の惑星(DUNE)
story
10191年。アトレイデス家の後継者であるポール(ティモシー・シャラメ)は、夢を見続けていた。砂漠の部族。いつも彼に微笑みかける少女。彼女は何者なのか? 目覚めて、夢の話を母ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)に聞かせるポール。彼には未来を視る力があるのだ。
ジェシカは密かに、ポールが持つ特殊能力「声(ボイス)」の訓練をしていた。ジェシカは女性だけの秘密結社ベネ・ゲセリットの一員で、ポールはその能力を母から受け継いでいる。だが、まだ自在に物や心を動かすまでには至っていなかった。
ある夜、そのベネ・ゲセリットの教母ガイウス(シャーロット・ランプリング)が、秘かにポールを訪ねる。アトレイデス家のユエ医師(チャン・チェン)も控えていた。彼女はポールの潜在能力を試し、見事、彼は試練に耐えた。だがまだ、彼の夢が現実になるかどうかはわからない。
宇宙帝国の皇帝は、アトレイデス家を水と緑が豊かな母星カラダンから、宿敵のハルコンネン家が支配していた砂の惑星アラキスへ移住させる。そこは辺境の地だが、貴重な香料(スパイス)が採れ、砂漠には巨大な砂虫(サンドワーム)が生息していた。原住民はフレメンと呼ばれている。
実は皇帝は、勢力を伸ばすアトレイデス家を恐れ、アラキスを追われた強欲なハルコンネン家と争わせて滅ぼそうとしていた。しかし、賢明なレト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)はフレメンと協力関係を結ぶため、密かにダンカン(ジェイソン・モモア)を送り込んでいた。
しかし、皇帝の戦闘部隊サーダカーがハルコンネン軍に加勢し、アトレイデス軍は滅びてしまう。父レト公爵も囚われて殺されるが、ポールとジェシカは逃げ延び、フレメンたちの地を目指すのだった…。
アジコのおすすめポイント:
映像化は不可能とまで言われた「デューン 砂の惑星」が、『ブレードランナー 2049』(17年)で注目されたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の手により、原作ファンを感動させるクォリティで映画化されました。本作はその序章にあたります。原作の精神にかぎりなく近いものを作りたいと語る監督。ゆえに登場人物の名前や関係性、さらに専門用語が次々と出てくるのでやや難解な印象もあり。公式サイトなどで少し予習をしておくとわかりやすいかもしれません。主演は『君の名前で僕を呼んで』(17年)の美少年ティモシー・シャラメ。父親役を『スター・ウォーズ』シリーズのオスカー・アイザック、息子の秘密を握る母をレベッカ・ファーガソン。そのほか数々のスター俳優が脇を固め、台湾からチャン・チェンも重要な役柄で参加しています。彼にとっては本作が初の英語作品となりました。原作はフランク・ハーバートによる傑作SF小説。1960年代後半から85年までに6冊のシリーズが出版されており、後の『スター・ウォーズ』シリーズや『風の谷のナウシカ』に影響を与えています。第一部では、主人公が自分の力や使命に目覚め、運命の女性と出会うまでの旅路になっているので、エンタメ作品のような派手な展開は少ないのですが、じっくりと映像やドラマを楽しみたい方には十分に堪能できます。第2部でどこまで描かれるのかはわかりませんが、1984年のデビッド・リンチ監督版でスティングが演じていた役を誰が演じるのか気になるところです。
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