ジョゼと虎と魚たち(ジョゼ/Josee)
story
大学生のヨンソク(ナム・ジュヒョク)は、道端に倒れている女性を助ける。側の車椅子は壊れているようだ。ヨンソクは馴染みの店でリヤカーを借り、彼女と車椅子を乗せて自宅まで送り届けた。それが、ジョゼ(ハン・ジミン)との出会いだった。
彼女は古い家に年老いた祖母(ホ・ジン)と二人で暮らしていた。お礼にご飯を食べて行けと誘われる。料理は粗末だが美味しかった。祖母は廃品回収の仕事をしており、ある日、籐製のチェストを運ぶ手伝いをしたヨンソクは、またしてもご飯をご馳走になる。ジョゼはスパムを焼いた。
ヨンソクは大学のミン教授(パク・イェジン)の浮気相手になっていたが、距離を置くようになる。後輩のスギョン(イ・ソヒ)も彼に好意を抱いており、ヨンソクは彼女と付き合い始める。大学では就職活動が始まり、チェ教授(イ・ソンウク)はヨンソクにインターンを勧めてくれた。
バイト先のカフェで海苔とスパムのセットをもらったヨンソクは、ジョゼの家に持って行く。料理を手伝うヨンソク。その時、空き瓶と古本が並ぶジョゼの部屋に入り、彼女は自分のことを初めてジョゼと名乗った。ヨンソクはシールに携帯番号を書いて帰る。
それ以来、ジョゼに頼まれて本を探したり、車の整備士をしているチョルホ(チョ・ボクレ)を息子と紹介されたり。ジョゼの態度は乱暴で人使いも荒いが、ヨンソクは楽しかった。スギョンの叔母の福祉団体に家のリフォームを頼み、旅に憧れるジョゼにグーグルマップで世界を見せた。二人の仲は縮まるが、スギョンを見たジョゼは、ヨンソクに「もう来ないで」と言い放つ。
冬、福祉団体の女性からジョゼの祖母が亡くなったと聞いたヨンソクは、ジョゼに会いに行き同棲を始める…。
アジコのおすすめポイント:
田辺聖子さんの初期の名作短編をもとに、2003年に妻夫木聡&池脇千鶴主演で作られた犬童一心監督の『ジョゼと虎と魚たち』。本作はその映画作品をベースにリメイクされています。展開はほぼ同じですが、韓国ならではの改変もされております。動物園は出てきませんが、日本版になかった水族館が出てきますし、観覧車の美しいシーンもあります。ジョゼが住む古い家もポイント。スコットランドロケもあります。四季の美しさも取り入れ、こだわって作り上げたのは、インディペンデント映画で腕を磨いたキム・ジョングァン監督。主演の二人をハン・ジミン&ナム・ジュヒョクと、2019年の名作ドラマ「まぶしくて ー私たちの輝く時間ー」のカップルが再共演。ファン必見です。話題となる結末については、2020年のアニメ版の方が時代に合っていると思うけれども、これはこれで自立したジョゼが描かれています。原作、2つの映画、アニメと、結末の違いを味わうのもよいかも。
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