ぼくの歌が聴こえたら(ザ・ボックス/The Box)
story
ミンス(チョ・ダルファン)は敏腕音楽プロデューサー。かつては、ゴールドディスクを受賞したロシー(ロシー)を発掘し、栄光の日々を味わっていたが、今や借金取りに追われる身。経営しているライブハウスを差し押さえられ、絶体絶命の危機にいた。再起するには新しい才能を発掘するしかないが、なかなか見つからない。そんなある夜、駐車場で素敵な歌声を耳にする。
歌っていたのは料金係の狭いブースにいた青年チフン(パク・チャンヨル)だった。ギターを抱えて歌う彼を見て、ミンスは彼がバックバンドを従えて堂々と歌う姿が浮かんだ。ミンスは宿無しのチフンを実家へ連れて行き、躊躇する彼を説き伏せてアーティスト契約を結ぶ。ミンスの母親(ソン・ビョンスク)の手料理効果もあったようだ。
ミンスは韓国の地方都市を周る10回の巡回ライブを計画。スターへの道を用意する。しかし、チフンには大きな問題があった。少年時代のトラウマがあり、人前では緊張して歌えないのだ。そこで、冷蔵庫用の大型ダンボールを用意。チフンが人目を気にせず歌えるようにする。
1発目の路上ライブは、観光客が集まる仁川のチャイナタウンだ。奇妙な箱に興味を持った人々が集まってきた。ところが、暑さと緊張のあまり、チフンはイントロを弾いただけで失神してしまう。だが、ミンスはチフンの才能を信じ、次は全州にある知り合いのライブハウスへ連れていく。全州で売れればソウルに直行、というジンクスもあった。
ライブハウスのステージに置かれた段ボール。チフンは酔っ払い相手に歌い始めるが、「裸足の季節」をリクエストされたりとカラオケスナック状態に。ミンスは怒ったが、チフンは自分の音楽が人々を楽しませたことに感動していた。次の光州では、人気ストリートアーティストと共演。次第に音楽が生み出す喜びを覚えていく…。
アジコのおすすめポイント:
大スターを発掘したものの、今は落ちぶれている音楽プロデューサーが、駐車場で歌っていた青年の声に才能を見出し、地方巡りをしながら新たなスターを育てていくミュージック・ロードムービーです。青年には人前で歌えないというトラウマがあり、それを克服するために最初は段ボール箱の中で演奏。少しずつ音楽が生み出す喜びを体験し、自分の殻を破っていきます。扮するのは、人気グループEXOでラッパー兼サブボーカルを担当しているチャンヨル。昨年3月の陸軍入隊直前に公開された初主演作品です。自身もバンド経験があるチャンヨルは、ギターだけでなくドラムやピアノも披露。世界の大ヒット曲から韓国演歌トロットまで歌ってくれます。エンディングテーマの作詞も手がけ、まさにチャンヨルの魅力が満載。プロデューサー役は名バイプレイヤーのチョ・ダルファン。二人で韓国各地の名所を巡る10回のライブツアー。悩み、傷つき、葛藤し、生まれ変わる青年を演じる俳優パク・チャンヨルの魅力もお楽しみください。
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