なまず(なまず/maggie)
story
「人体は宇宙」と恋人をレントゲン室で撮影しまくる女性技師(パク・キョンヘ)。昼休み、そのまま二人で愛を交わしている最中に、誰かが撮影スイッチを入れた!
その頃、クリーニング店から病院へ戻る看護婦のヨ・ユニョン(イ・ジュヨン)はスマホを穴に落としてしまう。買い換えたくないのに。「穴に落ちた時に、やるべきことは掘り進むことではない。そこから抜け出すことだ」そうだ、忘れよう。
元修道院だったマリアサラン病院。例の撮影フィルムが掲示され、病院は大騒ぎ。一体、誰のものなのか? ユニョンはこっそりフィルムを持ち帰り、同棲中の恋人ソンウォン(ク・ギョファン)に見せる。「これ、俺たちだよ」
辞表を書いたユニョンが、社食で最初で最後のまずいランチを食べていると、整形外科医で副院長のイ・ギョンジン(ムン・ソリ)が話しかけてきた。「会議の結果で決めるから、それまでしばらく休んでね」疑われてる!ユニョンは翌日、張り切って出勤する。
ところが、病院にはユニョンとギョンジンのほか、誰も来ていなかった。皆が欠勤?! 不信感が募るギョンジンのため、ユニョンは嘘か本当かを確かめようと提案。休んでいる医師の家を訪問すると、医師が居間で倒れていた。救護した二人は、その家の庭でティータイムを楽しむ。「人を信じましょう」
翌日は、何事もなかったように皆が出勤。こうやって病院の様子を観察しているのは、病室で飼われているマスコットのなまず(声:チョン・ウヒ)だ。いつもユニョンを癒してくれるなまず。「真実は関わった人に編集される」なまずは患者で飼い主の父(クォン・ヘヒョ)から教わっていた。
なまずが特殊能力を発揮し、地震を予知して飛び跳ねる。しかし、地震は起こらず巨大なシンクホールがあちこちに出現した。そのおかげで、無職だったソンウォンは職を得る。穴の埋めもどし作業だ。だが、大切なユニョンとのペアリングを失くしてしまう…。
アジコのおすすめポイント:
2019年の大阪アジアン映画祭でグランプリを受賞した本作がついに公開です。なまずを韓国語で発音するとメギ。病院で飼われているなまずを見て癒される看護婦が主人公。なまずが彼女の身辺で起こる様々な出来事を解説する、というユニークなスタイルで奥深い真理を語ってくれます。監督は短編で頭角を現した女性監督イ・オクソプ。2017年に国家人権委員会からのオファーを受け、盗撮や人権侵害、DVなどの社会問題を盛り込みつつ、ポップでシュールな映像の斬新な長編デビュー作に仕立てあげました。主演は旬の若手女優イ・ジュヨン。少女時代のトラウマで人を信じられない副院長を、芸達者なムン・ソリが演じます。恋人役は監督のパートナーでもあるク・ギョファン。プロデュースから脚本、編集も担当。かわいいなまずの声はチョン・ウヒが演じています。そのほかにも、豪華キャストがたくさん登場。元カノ役を演じるのは、同姓同名の女優イ・ジュヨンです。「信頼」にまつわる出来事やエピソードが進行する中で、突如現れたシンクホール。疑惑の穴から抜け出す方法とは? あれこれ思い巡らしながら、カラフルな映像と印象的な音楽で綴られる物語をお楽しみください。
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