ブレット・トレイン(BULLET TRAIN)
story
日本。幼い息子がデパートの屋上から落とされ、奇跡的に助かるも意識不明の重体に。息子を見守るキムラ(アンドリュー・小路)は自分を責めていた。どうして、一緒にいてやれなかったのか。エルダーと呼ばれる刺客で今は引退している彼の父親(真田広之)も病室を訪れ、「父親なら息子を守れ」と彼を咎める。キムラは犯人への復讐を誓った。
東京。心身のリハビリで仕事から離れていたレディバグ(ブラッド・ピット)にエージェントのマリア(サンドラ・ブロック)から指令が入る。それは、東京駅から京都行きの超高速列車「ゆかり号」に乗り、ブリーフケースを奪って一駅で降りるというもの。コードネームは「レディバグ」。簡単な仕事だ。彼は銃も持たず列車に飛び乗る。
1駅分の乗車券しか持たないレディバグに車掌(マン・オカ)が目をつけるが、機関車のシールが貼ってあるブリーフケースはすぐ見つかった。これで、任務完了。キムラも「ゆかり号」に乗っていた。息子を襲ったホワイト・デス(マイケル・シャノン)の娘プリンス(ジョーイ・キング)を見つけるが、病室に刺客を忍ばせていて手が出せない。二人の間を、ブリーフケースを持ったレディバグが通り過ぎた。
ホワイト・デスの依頼で、誘拐された彼の息子(ローガン・ラーマン)と身代金を奪い返した二人組、タンジェリン(アーロン・テイラー=ジョンソン)とレモン(ブライアン・タイリー・ヘンリー)も列車に乗っていた。機関車トーマスを崇拝するレモンが身代金の入ったブリーフケースを隠したが、念のため、二人で確認に行く。
ブリーフケースが消えた! 焦った二人が席へ戻ると、今度は助け出した息子が目から血を流して死んでいた。人気キャラクター、モモもんのお面を被せてごまかし、ブリーフケースを探すことにした二人。一方、品川で降りようとしたレディバグの目の前に、怒りに燃えたウルフ(バッド・バニー)が立ち塞がり、いきなり襲いかかってきた…。
アジコのおすすめポイント:
仕事がうまくいかないのは、自分の悪運のせいだと思っている殺し屋が、静養していた日本で仕事に復帰。簡単な仕事のはずだったのに、乗り合わせた超高速列車の中で次々と事件に巻き込まれ、理由がわからないまま刺客たちと闘うことになるミステリー・アクション・コメディです。走る列車という密室、狭い空間での駆け引きと、小物を使ったうまいアクション、幾重にも絡み合う人間模様とドラマが絶妙で、最後まで贅沢に楽しめる作品になっています。原作は伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」。日本の若き作家エージェントがハリウッドに映画化を持ち込み、実現しました。コロナ禍というのもあり、オールセットでの撮影。ブルースクリーンではなく、大型LEDを使って日本の風景を車窓に映し込み、走る列車の臨場感を出しています。そして、どこか不思議でおかしいけれども、日本愛に溢れてるセットや小物を背景に、スタントマン出身のデヴィッド・リーチ監督ならではの創意工夫に満ちたアクションが繰り広げられます。主演は監督がかつてスタントを演じていたブラッド・ピット。こんなに楽しそうに演じているブラピは必見。その他、個性豊かな豪華俳優陣が勢ぞろい。殺し屋たちそれぞれのドラマもキャラもしっかりと描かれ、共感できる人物になっています。特にタンジェリンとレモンは愛すべき義兄弟。ラスボスと闘う真田さんの刀さばきも惚れ惚れします。アクションと同じくらい会話シーンも多いのですが、セリフに意味があり、もう一度見返したくなること間違いなし。乗客にも注目!
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