story
群馬県太田市。高校3年生の純悟(堀家一希)は、フィリピンパブで働くフィリピン人の母親レイナ(ガウ)と二人で暮らしている。自由奔放で明るく美しいレイナ。純悟はそんな母親にこっそりカメラを向ける。
だが、純悟は幼い頃からジャンピーノ=フィリピンハーフという現実を受け入れられず、周囲とも母親ともうまくコミュニケーションが取れずにいた。そろそろ進路を決めなくてはならないが、将来に希望が持てず苛立つばかりだ。
生活が苦しい中、レイナは国に仕送りをしており、電気が停まるほどだ。父親のことは何も聞かされず、ただ毎月養育費だけが振り込まれていた。純悟に電気代を払えとせきたてられると「ダディーの養育費ある。それ使ったら良くないか?」と、家族なら助け合おうというレイナだが、純悟は「嫌だね」ときっぱり断る。不平・不満が募り、顔を合わせればケンカ口調になってしまう日々だった。
純悟には優助(篠原雅史)という同級生の恋人がいる。公認の仲で、彼の家でご馳走になることもあった。パートナーシップ制度の話が出ると、優助の妹たちや母親(田村菜穂)は二人の将来に理解を示すが、父親(宮前隆行)の意見は現実的だった。自分との将来について真剣に向き合わない純悟に優助は傷つき、しばらく距離を置きたいと告げる。
そんなある日、純悟が帰宅するとパンツ1枚の男・森下(森下信浩)がいた。「来月この人と結婚するの。いいな。来月からここに一緒に住むの」とレイナ。人は良さそうだが風采のあがらないおっさんだ。しかも、無職だという。
いろいろな出来事に追いつめられた純悟は、実の父親を捜そうと決意。母のアルバムから父親と思われる写真を持ち出し、レイナが昔働いていた街のフィリピンパブを訪れる。そして、渡辺(岩谷健司)と出会うのだが…。
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