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エンドロールのつづき

エンドロールのつづき(The Last Show)


監督:パン・ナリン
脚本:パン・ナリン
撮影:スワプニル・S・ソナワネ
編集:シュレヤス・ベルタングディ、パヴァン・バット
美術:パンカジ・パーンデャ、ドゥシャン・クマール、
   ダナンジャイ・タッカル
衣装:シア・セート
音楽:シリル・モーリン
出演:バヴィン・ラバリ、バヴェーシュ・シュリマリ、リチャー・ミーナー、ディペン・ラヴァル

2021年/インド・仏
日本公開日:2023年1月20日
カラー/スコープ/5.1ch/グジャラート語/112分
字幕:福永詩乃
配給:松竹
©2022, Chhello Show LLP
2021年 バリャドリード国際映画祭 ゴールデンスパイク賞
2022年 ミルバレー映画祭 ワールドシネマ部門 観客賞
2022年 インディミーム映画祭 観客賞
2022年 ロンドン・インド映画祭 観客賞
2022年 アクチュアル芸術祭 観客賞
2022年 ミルウォーキー映画祭
 ルミナリー審査員賞 スペシャルメンション
2022年 釜山国際子供・青少年映画祭 ハートオン作品賞
2022年 アジアワールド映画祭 作品賞
2023年 ディアス・ド・シネ・アワード Vida en sombras賞
2023年 サテライト賞 新人賞(バヴィン・ラバリ)
2023年 米アカデミー賞 国際長編映画賞インド代表

story

 9歳のサマイ(バヴィン・ラバリ)は、グジャラート州の田舎町チャララ駅で父(ディペン・ラヴァル)の店を手伝いチャイを売る好奇心旺盛な少年だ。ある日、両親と妹の4人で街へ映画を観に行くことになる。女神カーリーを讃える『カーリー万歳』という映画で、厳格なバラモンの父は「お前にとっては、これが最初で最後の映画だ」とサマイに言い放った。

 だが、サマイは初めての映画にすっかり魅了されてしまう。真っ暗な中に映る鮮やかな映像。映写室からこぼれる光の粒。それはサマイにとって未知で不思議な体験だった。街の学校へ通っているサマイは、学校を抜け出してこっそり映画館ギャラクシー座に忍び込むが、見つかってつまみ出されてしまう。

 そんなサマイを救ったのが、映写技師のファザル(バヴェーシュ・シュリマリ)だ。彼は料理上手の母(リチャー・ミーナー)が作ったサマイのお弁当と引き換えに、映写室から映画を見せてくれた。映写機の構造、フィルムのつなぎ方…ファザルを手伝いながら映画について学んでいくサマイは、次第に映画を作りたいと思うようになる。

 光に興味を持ったサマイは友人たちとガラクタを集め、自家製の映写機を作ろうとしていた。拾ったマッチ箱の絵柄で物語を紡ぐサマイ。映写室から持ってきたフィルムの切れっ端を映してみるサマイ。映画のフィルムが入っている缶が、チャララ駅の倉庫にたくさん保管されていることを知ると、こっそり盗み出してしまう…。


アジコのおすすめポイント:

初めて映画に出会ったチャイ売りの9歳の少年が、映画とその光に魅了され、映画を作る人になりたいという夢に向かってまっしぐら。周囲の人々をも巻き込んで、それぞれの人生にも大きな影響を与えていきます。2001年の長編デビュー作が世界に認められ、多方面で活躍中のパン・ナリン監督が、自分自身の思い出に、世界一の映画ファンと自認する大好きな映画への溢れる愛と敬意を込めて作り上げました。数々の名作にオマージュを捧げたシーンも散りばめられ、映画ファンを楽しませる内容になっています。少年が愛する人々に見送られ、未来へと旅発つラストシーンはまさに感動的。主人公のサマイを演じるのは3000人のオーディションで選ばれたバヴィン・ラバリ。グジャラート州でチャイ売りを手伝いながら学校に通っており、演技は初体験。映画を観たのも撮影が初めてという、まさにサマイそのもの。演出の力もあるのでしょうが、初めてとは思えない大胆な演技とチャーミングさで将来が楽しみです。彼が目撃するフィルムや映写機の行方も興味深いものがあります。もうひとつ、本作の大きな魅力となっているのは、料理上手なお母さんの手料理の数々。毎朝作ってくれるお弁当のレシピは気になるものばかり。きっと作ってみたくなりますよ。

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