夢の裏側
(夢的背後/Behind the Dream:
A Documentary on the Shadow Play)
story
2010年の暴動の様子がSNSに残る洗村。2015年、大規模な再開発の中、未だ死角として取り残された洗村でロケハンが始まる。カメラは補償に不満を抱えそこで生活する人々を捉える。中途半端なまま取り残されている古いビル。大家が安く貸しているため、新しい住人が増えているという。「今、起こっていることを取り込む」
ソン・ジアを始め、キャスティングされたスターたちが衣装合わせにやって来る。完璧にその時代の服でなくても、その時代の雰囲気が出ていればそれでいいというのがロウ・イエのスタイル。今回はロウ・イエ式のアクション映画であり、ジャンル映画ではないという。
2016年。ライティングのテスト。脚本の再検討。キーとなる事件現場の撮影。傷だらけになったソン・ジアが「ドキュメンタリーみたい」と感想を漏らす。「写っているのは、その時の生の私」脚本は200枚の写真がベースになっており、写真に沿って脚本も変わっていく。
ロウ・イエ組に初参加の若手俳優ジン・ボーランはまだ慣れておらず、走るシーンが多くて疲れるとこぼす。「表現はアクション映画だけど、描かれるのは人間の感情であり、行為の話。それがロウ・イエの映画だ」
無許可で撮影した為、洗村に公安がやって来て撮影が中止に。ほかの場所でも撮影ができず、ロケは香港へ移動する。烈火のごとく怒るエディソン・チャン。「今までとはまるで違っていたので、慣れるまで葛藤があった」
ジェイク・ポロックと撮影スタイルや考え方を話し合うロウ・イエ。今までで一番アクションシーンが多いと語るチン・ハオ。様々な紆余曲折を経て撮影は終了し、ポストプロダクションに入るのだが、公開までには検閲との長期間の闘いが待っていた…。
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