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夢の裏側

監督・編集:マー・インリー
出演:ロウ・イエ、ジン・ボーラン、ソン・ジア、チン・ハオ、マー・スーチュン、チャン・ソンウェン、ミッシェル・チェン、エディソン・チャン、ジェイク・ポロック

2019年/中国
日本公開日:2023年1月20日
カラー/1.77:1/DCP/94分
字幕:樋口裕子
配給:アップリンク
©Dream Factory Limited (Hong Kong).



*監督のマー・インリー


夢の裏側
(夢的背後/Behind the Dream:
 A Documentary on the Shadow Play)

story

 2010年の暴動の様子がSNSに残る洗村。2015年、大規模な再開発の中、未だ死角として取り残された洗村でロケハンが始まる。カメラは補償に不満を抱えそこで生活する人々を捉える。中途半端なまま取り残されている古いビル。大家が安く貸しているため、新しい住人が増えているという。「今、起こっていることを取り込む」

 ソン・ジアを始め、キャスティングされたスターたちが衣装合わせにやって来る。完璧にその時代の服でなくても、その時代の雰囲気が出ていればそれでいいというのがロウ・イエのスタイル。今回はロウ・イエ式のアクション映画であり、ジャンル映画ではないという。

 2016年。ライティングのテスト。脚本の再検討。キーとなる事件現場の撮影。傷だらけになったソン・ジアが「ドキュメンタリーみたい」と感想を漏らす。「写っているのは、その時の生の私」脚本は200枚の写真がベースになっており、写真に沿って脚本も変わっていく。

 ロウ・イエ組に初参加の若手俳優ジン・ボーランはまだ慣れておらず、走るシーンが多くて疲れるとこぼす。「表現はアクション映画だけど、描かれるのは人間の感情であり、行為の話。それがロウ・イエの映画だ」

 無許可で撮影した為、洗村に公安がやって来て撮影が中止に。ほかの場所でも撮影ができず、ロケは香港へ移動する。烈火のごとく怒るエディソン・チャン。「今までとはまるで違っていたので、慣れるまで葛藤があった」

 ジェイク・ポロックと撮影スタイルや考え方を話し合うロウ・イエ。今までで一番アクションシーンが多いと語るチン・ハオ。様々な紆余曲折を経て撮影は終了し、ポストプロダクションに入るのだが、公開までには検閲との長期間の闘いが待っていた…。


アジコのおすすめポイント:

スタイリッシュなサスペンス・ノワールとして仕上がった『シャドウプレイ』のメイキング。撮影の裏側を記録した貴重なドキュメンタリーです。監督はロウ・イエの妻であり共同脚本家でもあるマー・インリー。ロウ・イエならではの映画作りの考え方、撮影スタイルがよくわかり、俳優たちへのアプローチや指導方法、現場スタッフとのやりとりから、撮影終了後の愉快なサプライズまで、ロウ・イエ組の雰囲気が克明に記録されています。ジェイク・ポロックの撮影風景や人物像が見られるのも貴重です。東京フィルメックスでの初上映時、このメイキングも同時上映されました。当時、一番驚いたのがエディソン・チャンの登場。本編では声だけしか出てこなかったのですが、今回の完全版でわかったように、彼の登場シーンがカットされていたんですね。過去の事件の影響でしょうか。一時期は引退宣言もしたエディソンでしたが、数年後に復帰してたま〜に香港映画に出演。中国映画に出るのはおそらく今回が初となります。『同じ月を見ている』でインタビューしたこともあるアジコですが、メイキングではエディソンの気難しい面もわかってビビりました。

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▼公式サイト ▼予告編