呪呪呪/死者をあやつるもの
(謗法:在此矣/The Cursed:Dead Man's Prey)
story
奇怪な殺人事件が起こる。犯人は被害者のそばで見つかるが、死んでからすでに3ヶ月も経っていたのだ。死因は大量の麻痺性貝毒だった。
ニュースチャンネル「都市探偵」の共同代表で記者のイム・ジニ(オム・ジウォン)がラジオに出演中、奇妙な電話が入ってくる。「殺人事件の犯人は自分で、死体を動かして人を殺した」と言うのだ。しかも、翌日ジニにインタビューをして欲しいと場所まで指定してきた。その男は「皆にこのことを知って欲しいから」と理由を伝えた
会社に戻ると、元警官で共同代表のキム・ピルソン(キム・イングォン)が、まだ公表されていない事件の資料を集めていた。殺されたのはスンイル製薬の研究員だった。犯人と思われる死体の手は黒く文字のようなものが浮き出ている。ジニは超常現象に詳しい民俗学のタク教授(コ・ギュピル)に見てもらうことにする。
そこへジニの夫で広域捜査本部長のソンジュン(チョン・ムンソン)が「危険だから」と、インタビューを止めにやって来た。だが、ジニは譲らない。ソンジュンは、インタビューの場所を警察に包囲させる。その日の朝、ジニは悪夢を見た。インタビュー中に死体から襲われる夢だ。彼女を救ったのは行方不明のソジン(チョン・ジソ)だった。
当日、指定された建物には多くのマスコミがかけつけていた。そして、パク・ヨンホ(チョ・ハンチョル)と名乗る男がやって来る。彼は「呪術師が死体を操って人を殺した」と説明。しかも、この後さらに3人を殺すという。キム・ミンソプ(チョン・ジェソン)、イ・サンイン(クォン・ヘヒョ)、ピョン・スンイル(チョン・ググァン)。指名されたのは皆、スンイル製薬の重役たちだ。これは警告で、助かる条件は社長からの「誠意ある謝罪」のみ。
スンイル製薬は今、アメリカの会社と契約を控えており、ピョン社長は入院。会社の実権を握っているのは強欲な娘のミヨン(オ・ユナ)だった。ミヨンはライブ配信されたネットニュースをすぐに削除させる。インタビューに現れたパク・ヨンホは新薬開発研究所のチーム長だったが、行方不明となり捜索願が出ていた。
タク教授によると、殺人を犯した死体はジェチャウィ(在此矣)と呼ばれるもので、手が黒いのが特徴。手に現れたマークはインドネシア語で、ドゥクン・サンテットと呼ばれる呪術師が背後で操っているらしい。その一部始終を、新人撮影スタッフのジェシー(イ・ソル)が見ていた。
一方、キムは刑務所に入っているパク・ヨンホと親しかった男と接見。交換条件を出して、研究所での恐ろしい事実を聞き出す。同じ頃、スンイル製薬では次のターゲットとなったキム・ミンソプを特殊部隊も総動員で厳重警備していた。警察やマスコミも見守る中、約束の時間に現れたのはなんと、丸腰のゾンビたち100人だった!
アジコのおすすめポイント:
呪いによって動き出すゾンビの群れによる新感覚ホラーアクションです。『新感染』シリーズのヨン・サンホが脚本を担当したNetflix ドラマ「謗法 〜運命を変える方法〜」のスピンオフとして作られたのが本作。監督はテレビシリーズと同じキム・ヨンワンが担当し、「愛の不時着」などのヒットドラマを生み出しているスタジオドラゴンが製作。TVシリーズの後日談から始まり、次のシリーズにつながるような終わり方をしているので、ドラマファンの方は続けて観るのがオススメです。もちろん、映画の中で背景は説明されているので、何も知らなくても楽しめます。ホラー苦手なアジコですが、本作のゾンビにあたる「ジェチャウィ」は皆同じグレーのパーカーを着ており、人間のように俊敏。『新感染』シリーズよりも集団での動きが見どころになっていて、エンタメアクションとして成立しています。これならアジコも大丈夫。インドネシアの呪いを取り入れた部分にも、人間の悲しみをベースにした感情がしっかり描かれており、怖さより共感や怒りが伝わってきます。ラスボスの登場で、思わず涙したアジコ。悪役たちの人間関係とか、細かいところまで楽しめ、ドラマを盛り上げています。主演はオム・ジウォン。彼女を助けるパワーを持つ娘を、子役からすっかり成長したチョン・ジソ(『パラサイト 半地下の家族』)が力強く演じており、今後の活躍が楽しみです。
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