人生は美しい(人生は美しい/Life is Beautiful)
story
病院から夫婦で呼び出されたオ・セヨン(ヨム・ジョンア)。バスを間違えて遅刻した自分の代わりに、夫のカン・ジンボン(リュ・スンリョン)に知らされたのは「末期の肺ガンで余命2ヶ月」。間違えたバスでソウル劇場へ着き、独身時代に早朝割引でジンボンと通った甘い思い出に浸っていたのに。公務員の夫は無骨で優しい言葉をかけることなく、職場に戻っていった。
中学生の娘イェジン(キム・ダイン)は反抗期で、アイドルの押し活に夢中。受験を控えた息子ソジン(ハ・ヒョンサン)は学校の後、塾に通っているが不愛想だ。役所の行政福祉センターで働くジンボンは、事務長(コ・チャンソク)と酒を飲みながら人生について考えていた。一方、セヨンは学生時代の思い出に浸り、イチョウの葉を見つめる。
自分の誕生日の朝、ワカメスープにダメ出しされたセヨンは、いろいろと整理しておけという夫の言葉に泣けてくる。生きているうちにやりたいことリストを作り、前から気になっていた学生時代の初恋の人、ジョンウ(オン・ソンウ)を探そうと思い立つ。さらに夫のカードで高額な買い物をしてジンボンを驚かせる。
離婚して財産の半分を使い切るつもりだったが、夫に離婚か、初恋の人探しを手伝うかで迫り、一緒に探してくれることになる。夫と車で旅に出たセヨンは、買ったものを返品。ジョンウの手がかりを求めて故郷、木浦の高校を訪ねることに。途中、娘を産んだ東灘にも寄り、木浦では父親の墓参りもできた。
土曜日だったが高校の先生(キム・ジョンス)は会ってくれた。あの頃を思い出すセヨン。ジョンウは親友ヒョンジョン(シム・ダルギ)の友達で、アナウンサー志望だった。図書室の帰り、雨にふられて傘に入れてくれたこと、公開録音に行ったこと、3人で撮った写真は大事にとってある。だが、個人情報のため何も教えてもらえなかった。
セヨンは写真を現像した写真館を思い出し、ジョンウの一家が釜山へ越したことを知る。二人はかつて新婚旅行で訪れた釜山へ向かう…。
アジコのおすすめポイント:
余命宣告を受けた妻が、夫の協力で心にしまっていた初恋の相手を探しに旅をするロードムービーのミュージカルです。公務員の夫は無愛想で亭主関白。妻にいたわりの言葉もかけられないほど、実は自分が動揺しています。初恋の人の消息を尋ねて郷里の木浦、釜山、清州と旅をするうちに、夫と出会った頃のことや、新婚旅行、娘が生まれた頃などなど…二人は幸せだった日々を思い出していきます。二人の心を彩るのが、ワクワク感満載のミュージカルシーン。1970年から2000年代までのヒット曲や名曲で歌い踊る場面はファンタジックでありながら、二人の心情が歌詞に代弁されており、胸に刺さります。監督はチェ・グッキ(『国家が破産する日』)。主役の夫婦を演技派のリュ・スンリョンとヨム・ジョンアが演じ、若い頃のチャーミングな二人に扮して歌い踊ります。チョイ役で登場する特別出演陣も豪華。そして、学生時代の主人公を演じたパク・セワンのみずみずしいこと。恋する相手役はWanna Oneのメンバーとしてデビューしたオン・ソンウ。爽やかなイケメンの彼は果たして、見つかるのか?! 「人生には限りがあるけれど、それでも十分に美しく、幸せになれる」という監督のメッセージを、生き生きとしたミュージカルシーンと共に味わってください。
|