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オ・セヨン(監督)は中学生の頃、推しの歌手チョン・ジュニョンに夢中だった。覚えてもらうため、サイン会やファンミーティングに韓服を着てでかけ、ジュニョンに声をかけてもらえるほど「成功したオタク」になっていた。ファンの間でも一目置かれる存在になっていたのだ。
ところが、チョン・ジュニョンがわいせつ動画の流布、および集団性暴行事件を起こして犯罪者になり「失敗したオタク」に転落する。傍聴券を入手して初公判で目にした彼はすでに別人だった。気持ちは複雑だが、重大な罪を犯した者は厳罰に処せられるべきだ。彼女の答えは決まっていた。
重い気持ちで過ごしていた頃、まだ彼を応援しているファンの存在を知る。オ・セヨンはカメラを携え、インタビューをして回る。助監督のキム・タウンはBIGBANGのV.Iの長年のファンだった。二人は思い出話をしながら、グッズのお葬式を行う。中には捨てられない物もある。それはあの頃の思い出のせいだ。
チョン・ジュニョンには懲役7年が求刑された。ファンたちは過去を汚され、人生にも影響を残す。ファンも被害者なのだ。アイドルには社会的責任感が必要だ。オ・セヨンは当時の日記や手紙を読み返し、最初に記事を書いたことでファンから責められたパク記者を訪れ謝罪する。
取材に応じたパク記者は、当時の状況を理解しており、オ・セヨンを慰める。それは「パク・クネ元大統領の支持者に似ている」とも。オ・セヨンは太極旗柄のスカーフを巻き、太極旗集会に行ってみる。それはかつて見慣れた風景と似ていた。
一番近くに、傷ついたオタクがいた。それは演劇映画科の大学教授である母親だ。彼女は有名俳優チョ・ミンギのファンだった。彼は Me Too 運動で犯行の事実が明るみに出ると自ら命を絶つ。母親やその後の友人たちとの取材のなかで、オ・セヨンは推し活や真の「成功したオタク」になる意義を探っていく。
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