story
亡くなってから3年目。パク・ポクチャ(キム・ヘスク)は天国の休暇制度に入賞し、ガイド(カン・ギヨン)と共に地上へ降りてくる。彼女の望みは、娘チンジュ(シン・ミナ)と新たな記憶を残すこと。ルールは「タッチはNG」「娘の幸せな姿だけを記憶する」というものだった。UCLAの大学教授になった娘はアメリカにいるはずだ。
ところが、チンジュはポクチャが亡くなるまで住んでいた実家にいた。家庭料理の食堂「田舎の味」を引き継いでいたのだ。アメリカで華々しい人生を歩んでいると思っていたポクチャは戸惑う。メニューは日替り定食のみ。丁寧に作られたキムチチゲ定食は美味しそうだ。料理の腕はポクチャ譲り。村の人々はいつまで続くかと心配している。かつてポクチャが作った小さなカマドで豆を煎るチンジュ。
ポクチャが生きていた頃、チンジュは母親を避けていた。たまに会って話をしても無関心だった。アメリカへも黙って出発してしまった。幼い自分を叔父の家に預け、お金のために再婚した母に捨てられたと思っていた。わだかまりを残したまま、突然亡くなった母。そのせいで、彼女は苦しみ、うつ病で病院にも通っていた。ポクチャはチンジュの恨みを消したいと願う。
ソウルから友人のミジン(ファン・ボラ)がやって来る。母が娘のために作った特別なマンドゥを再現するチンジュ。当時のことを思い出すポクチャ。婚約者だったミヌク(キム・ヨンジェ)がやって来るが、チンジュは新たなプロポーズを断った。彼の家族が母を尊重しなかったからだ。弟のために進学を諦めたポクチャは、プライドを持って生きてきた。幼いチンジュはそんな母を見て育った。
ポクチャはそばにいるのに何もできない自分に苛立ち、思わずバケツを蹴飛ばしてしまう。それは、ルール違反だった。ガイドが現れ、休暇が短縮されたと告げるのだが…。
アジコのおすすめポイント:
生前にわだかまりを残したまま別れてしまった母と娘が、天国の休暇制度(!)で果たせなかった思いを実現させるファンタジードラマです。といっても「よみがえり」ものではなく、あくまで姿は見えず触れることもできず、ただ、記憶を残すだけ、というのがミソ。悩み苦しむ娘の姿を見てもどうすることもできない母。さあ、母はどうやって思いを遂げるのか?ガイドは助けてくれるのか?…美味しい料理の数々と共に、過去の思い出シーンが挿入され、二人の関係が明らかになっていきます。涙なくしては観られない本作の脚本を書いたのは、『7番房の奇跡』『82年生まれ、キム・ジヨン』のユ・ヨンア。監督はユク・サンヒョ。主演は「国民の母」キム・ヘスクとシン・ミナ。日本でも人気の二人がまさにぴったりの母娘役で嬉しい初共演。料理のシーンも丁寧に撮られており、どれも美味しそう。ダイコン入りのマンドゥとか、スパム入りのキムチチゲも気になります。牛肉たっぷりのワカメスープ、チャプチェ、温麺などなど、グルメ映画としての見所もたっぷり。癒されます。
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