story
ソウルで6月に雪が降るのは、115年ぶりだった。
第1章:M
一人暮らしのヒョンジョン(チェ・ジウ)のマンションに、火災報知器の点検で図々しい男(イ・ムンシク)が訪ねて来る。前日、マンションで女子大生殺人事件が起こり、連続殺人事件との関係が疑われていた。男は5分で終わらせると言いながらニヤニヤしている。不安を感じたヒョンジョンは、男がトイレに入っている隙に…。
第2章:正しいことをしろ(ドゥ・ザ・ライト・シング)
学習塾の非常階段で、少年たちが人助けの話をしている。スンジン(チョン・ドンウォン)にはピンとこないが、先生から成績が悪いのでボランティア活動への参加を勧められる。塾帰りのバス停。車椅子の老女(イ・ジュシル)が困っているのを見たスンジンは、勇気を出して…。
第3章:殺しのドレス
マッチングアプリで男女が出会うカフェ。ウンサン(ハ・ギョン)は2台のスマホで二股デートをしているのを相手になじられ、逆ギレ。同じ店で待たされていたヒョンス(イ・ユミ)は、相手に黄色いバッグを持っていると伝え店を出る。ところが、同じ黄色いバッグを持った女性が刺され…。
第4章:いま、会いに行きます
友人のウンサンから血液型と星座によるマッチングアプリの凄さを熱弁されたユ・フン(チェ・ミンホ)。縁は偶然と条件があった時にできるらしい。夜、帰りに自動販売機で飲み物を買うと、商品受けに手紙が入っていた…。
第5章:のぞき魔(ピーピング・トム)
キジン(ピョ・ジフン)は隣に住むヘヨン(ファン・スンオン)に夢中。朝、同じ時刻にドアを開け、スマホで彼女を盗撮。同じエレベータに乗り、シャワー時刻には彼女の歌を聴く。ゲーム仲間から「愛には勇気が必要」とけしかけられ、ついにベランダから忍び混むのだが…。
最終章:ろくでもない人生(マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ)
ロックミュージシャンになる夢を抱いて家を出たヨンジン(ハ・ダイン)。だが、現実はコンビニで横柄な客の対応にうんざりする日々。死にたい気持ちを抑えて半地下の部屋に帰り、ゲームやSNSで気を紛らわす。その中に、殺人を匂わせるイカれた奴がいた…。
アジコのおすすめポイント:
日常に潜む人間の怖さを6話のオムニバス形式で描いた新感覚サスペンス・スリラーです。監督は前作の『コンジアム』(ポスターにひるんでアジコ未見)で「Kホラーの巨匠」と呼ばれているチョン・ボムシク。どのエピソードも日常がダークサイドに反転する様を描いており、しかもそれって現実にあり得ることなのでオソロシイ。脚本も実際に起こった事件をもとに作られているそうです。実際、街中でキレた人を見かける経験は誰にでもあるでしょうし、SNSにはフェイクが溢れかえっています。こんな日常がニューノーマルになるのは嫌だなあ。演じるのは、チェ・ジウ、イ・ユミ、チェ・ミンホ(「花郎」のスホ!)ら日本でも人気の3人に加えて、Block BのP.Oことピョ・ジフン、JD1としても活躍中の若手アイドル、チョン・ドンウォン、そして監督が発掘した期待の新人ハ・ダインが、3人とも本作でスクリーンデビュー。それぞれの役柄を見事に演じています。特にアジコの印象に刺さったのは、ジウ姫の変貌ぶりとハ・ダインのかっこよさ。物語も怖いながらユーモラスな面もあり、映像も美しいです。さらに、主人公の心情に寄り添ってエピソードごとに変わる音楽が素晴らしく、音楽監督を担当したユン・フンの才能が光ります。5話目のみ元作品が不明ですが、各エピソードはどれも映画のタイトル。5話目には『恋する惑星』的な演出も感じられました。6話とも日数を追えば繋がっていきます。2度、3度とお楽しみください。
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